お神輿をレンタルする
そもそも、お神輿をレンタルする事は可能なのか?
調べると、東京浅草の「宮本卯之助商店」というお店でお神輿を貸している事が分かった。町内会のイベントなどでの貸し出しが多いらしく、早速、お店にお邪魔した。
今回は3名で担ぐ予定なので、なるべく小さいお神輿を見繕ってもらう事にしたが、裏の倉庫から運ばれて来たお神輿は想像以上に小さかった。
確かに小さい神輿を、とお願いはしたがこれではあまりにも小さ過ぎる。もう少し大きいものはあるかどうか尋ねると、これでも35キロもあるという。35キロ以上となると3名ではきつい。子供神輿でいくことにしよう。
お店の外で神輿の組み立て方を教えてもらう。
お神輿本体は6本の棒で支えられている。一番長い親棒が2本、その両脇に脇棒が2本、その4本を横に支えるトンボが2本。それぞれ出っ張りと穴があるので凹凸をはめ合わせて軽く固定し、最終的に麻ヒモで固く結ぶ。組み立て自体は簡単だった。
あとは持ち帰り、お神輿を担ぎたい場所に繰り出せばいいのだが、ここで一つ気になっていた事を質問してみた。
お神輿は神様の乗り物と聞いている。
お祭りでもないのにお神輿を担いで罰は当たらないのでしょうか?
「それは大丈夫ですよ。お札を入れてませんから」
本当のお祭りでお神輿を担ぐ場合、神社からお札をもらって来てお神輿の中に入れるらしい。今回借りるお神輿は入れ物だけなので、余興で使ったとしても何の問題もないのだ。
これで安心だ。
気兼ねなくテンションを上げていける。
「宮本卯之助商店」さんの近所にあった祭り用品店で衣装も買い揃えた。半天、サラシ、半股引(はんだこ=ショートパンツ)、足袋。
祭り用品店のおじさんに「どこのお祭り?」と聞かれ、特にどこでもないとは答えられず「あ、麻布です」と答えておいた。
そうですか、麻布ですか。と、おじさんは満足そうに頷いていた。麻布には古い友人が住んでいるらしく、麻布のお祭りについて更に突っ込まれそうになったので、逃げる様にしてお店を出た。
お祭りではありません。
ただお神輿を担ぎたいだけなのです。
|