長崎に、「鯖(さば)くさらかし岩」という名の奇岩がある。
右の写真がそれ。ご覧のように、いつ転がり落ちてもおかしくない岩だ。
昔、この横の道を通ろうか、通るまいかと思案するうちに手に持っていた鯖が腐ってしまったということから、鯖を腐らせてしまう岩、長崎弁で「鯖くさらかし岩」という。
今回は、これにまつわる意外な秘密に迫りたいと思う。秘密…と言っても、わりとどうでもいい感じの秘密だが。
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(Text by T・斎藤)
地元で人気の岩
鯖くさらかし岩は、地元で人気の岩である。 どれくらい人気かと言うと、商工会が出している飲食店マップにかわいいイラストとなって登場したり、マンホールの絵柄になったりといった具合。
事実この岩、よく見ると雪だるまみたいでけっこうかわいい。手をつけたり顔を描いてしまう気持ち、理解できる。
昔話にも登場した岩
道端の看板には、以下のような説明書きがあった。
継石坊主 (鯖くさらかし岩) 雲の流れ、陽の光によって面相が変わるという。徳川時代、一世の狂歌師として有名な蜀山人・大田南畝(長崎奉行所支配勘定方)が長崎在勤中の文化二年(西暦1805年)時津に遊び、この奇岩を眺めて 「岩角にたちぬる石をみつゝおれば になへる魚もさはくちぬべし」 と歌ったので一躍名高くなった。
よくわからないが、ようするに江戸時代から人々をビビらせ続けてきた岩なんだろう。
「まんが日本昔話」にも登場したことがあるという。見た人の話によると、TVでは岩がグラングラン揺れていたそうな。
看板の絵は、江戸時代らしいデフォルメで描かれていた。それとも昔はほんとにこんな危険な状態だったのだろうか? これはちょっと側を通りたくない。いやむしろ通ってみたい。
隠された秘密
ところで、この岩に意外な秘密があるという噂を耳にした。 なんと、 「転がり落ちないようにボルトか何かで固定されている」 というのだ。
え゛え゛っ!? そうなの?
ま、たしかに転がったら危ないことは火を見るよりも明らかだが。。 本当かどうか、この目で確認しに行って見ることにした。