双眼鏡で常にお互いの位置を確認し、連絡はトランシーバーで行う。必要のないとき以外は会話をしなくていい寸法だ。早速このグッズを持ち、宮城さんの待つ新宿へと向かった。
よろしくお願いします
宮城さんは忙しい仕事の合間を縫って来てくれた。会って思い出したのだが宮城さんは目立つ。とても、目立つ。
すっかり見慣れてしまったため忘れていた。ヒゲといい、ちょんまげのように長髪をお団子にした髪型といい、強烈に分かりやすい。
「確かに遠くからでもすぐに見つけられますね」とご本人もいう。今回の試みにはぴったりだ。
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トランシーバーの調子、確認中 |
トランシーバーは雑音も聞こえるものの、10メートルほどだったらなんとか声が聞き取れた。
古賀「おお、聞こえますねー」
宮城「ええ、聞こえますー」
うふふ、うふふ、と流れる和やかな時間。しかし、しばらくすると喋ることがなくなってきた。
いかん! 気まずくならないうちに距離をとらねば。
古賀「じゃあ、離れましょうか。私が後からついていくので、宮城さん先に行ってください。」
宮城「あ、はい。じゃ、お先に」
古賀「あの、離れていても一緒ですから」
なんだか遠距離恋愛カップルの会話のみたいになりながら、ばたばたと、ミッションスタートです。
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離れていても一緒ですよ |
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