微妙なセレクト
いくら太陽光が強烈とはいえ、ナマの食べ物に火が通るほどには焼けてくれないだろう。そこで、なるべく白っぽいものを焼くことにした。その色の変化を観察しようと思ったのだ。
いわば「人間以外にも日焼けはするのか?」という試みである。
いま、改めて見てみると「なんて微妙なセレクトなんだろう…」という感想しか出てこない。サラダせんべいに至っては、何が目的で購入したのか自分でも分からない。これ以上こんがり焼けるとは思えないが、何かしょっぱい物が食べたかったんだろうか。
ちなみに食材は二子玉川のスーパーで買い求めたのだが、その時点で脳が暑さにやられていたとしか思えない微妙さだ。それでも「少しでも良く焼けるように」とアルミホイルを敷く工夫を見せているあたりが、わずかに残った理性だろうか。
疑問を解消させたい
「これだけ暑けりゃ卵が焼けるに違いない」と思ったことはないだろうか。いい機会なので、その疑問もここで解消させようと思う。
ただし、ニワトリの卵はさすがに無理だろうと判断、今回はうずらを選択してみた
さらに、なめした牛の皮を用意。そこに日焼け止めクリームを塗り、「牛も日焼けするのか」という実験も同時に行うことにする。
実験材料をズラリと並べたら、あとは何もすることがない。ただひたすら時間が経過するのを待つのみだ。持ってきた文庫本を読んだり、遠くに座ったカップルを観察したり、携帯でメールを打ったり。
炎天下、しかも1人。むやみに動くことも出来ず、ただただ時間が過ぎるのを待つ。
「事前に凍らせて、それを持ってくるべきだった」と思っても、今さら遅い。普段アウトドアに縁がないことが、こういう時にバレる。
意識的に水分を摂取したが、河原にいる間に尿意は催さなかった。すべて汗になって消えてしまったのだろう。黒いTシャツを着ていたなら、きっと表面が塩で白くなっていたに違いない。
ああ、それにしても暑い。