そして、いよいよ輸血をおこなう
病棟に輸血用血液がとどいて、必要な道具などの準備ができたら、患者さんの名前や血液型、つかう輸血用血液の種類や型、量などを複数の担当者であらためて確認する。
そして輸血をする直前には、患者さん自身に名前と血液型を言ってもらうことで、血液バッグや患者さんの取り違えがないことを確認するというステップを踏む。
事故を防ぐための手順が、何重にも用意されているのが分かる。
準備ができたら、いよいよ輸血をはじめる。
最初の約10分間は、1分につき1mL、それ以降は1分につき5mLの速さで点滴をおこなうらしい。想像よりもかなりゆっくりだ。
輸血中はお医者さんが患者さんのそばにいて、血圧や脈拍、顔色や吐き気の有無などを確認することになっている。
ところで、ぼくの献血した血小板は一般的にどういうふうに使われるんだろうか。
「血小板は、主に血液内科の患者さんに使われることが多いですね。具体的には、白血病や悪性リンパ腫、再生不良性貧血などの病気の方です」(輸血部 多田さん)
これらの病気になると、出血したときに血をとめる働きをする血小板を、からだの中でつくる力が低下してしまう。血小板の寿命は約10日なので、ひんぱんに輸血をする必要があるのだという。
ぼくの献血した分も、途中の検査で不合格になっていなければ、今ごろはもう誰かのために使われているのかもしれない。
(上の写真3点は、CD-ROM「輸血インフォメーション -2000-」より、著作者である財団法人血液製剤調査機構の許可を得て転載したものです。)
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