中華×うずらの卵
とある中華料理店に入り「かた焼きソバ」を頼んだ。エビ、ホタテ、イカなどの具材がふんだんに使われた、それは豪華な焼きソバだ。
が、うずらの卵は1つだけ。他の具にくらべて、飛び抜けて高額な物ではないのに何故なんだろう。なにか決まりでもあるのか。
どうせ1つしか入れないのなら、なにも無理して入れなくてもいいのにと思う。もしこれを2人で頼んだとしたら「うずらは俺のもの問題」で、その関係に遺恨が残ること請け合いだ。
うずら卵だらけの中華丼を作る
おいしい焼きソバに満足はしたものの、今回の目的は「うずらの卵を嫌いになるまで食べる」だ。
あの焼きソバは私に“うずら卵を大量に食べたかったら外食産業に頼ってはいけない”ことを教えてくれたわけで、となると、やはり自作するしか道はない。
そんなわけで買ってきました、うずら卵の水煮を14袋(計84個)。
ところで、うずら卵って数年前までは缶詰入りが主流だったように思うのですが、プラスチック容器入りしか見つけられませんでした。なにか理由があるのでしょうか。
それはさておき、さっそく制作に入りたい。今回は焼きソバではなく「中華丼」を作ろうと思う。
鍋にうずら卵を入れて調味料で味をつけ、水溶き片栗粉でとろみを付けたものを、どんぶり飯の上にザバーンと乗せる。
お店では1個しか入らない卵が、24個も乗った。
一瞬「バカじゃないだろうか」とか「これゼッタイ体に悪い」などの思いが脳裏をよぎったが、好きなものが目の前に大量にある、という事実の前に、そんな思いは消え去った。
さっそく食べてみる。…おお、うまい。そうそう、これが食べたかったんだ。コッテリした卵と、あんかけのハーモニー。たまらん。
どんどん食べ進む。最後まで卵を大事に取っておかなくていいので、遠慮なく口に放り込む。というか、卵しか食べるものがない。
ああ、大人になるってステキだ。好きなものを誰にも邪魔されずに作って食べることが出来る。…そんなことを思えたのは、半分ほど食べ進めたあたりまでだった。
なんとか義務感で完食したが、これは嫌いになる以前に、飽きます。