僕の知る中で最も安いところに住んでいる人は劇団員の友達で、稽古場所の一部を間借りして２万円で住んでいた。しかしそれは座長の好意で間借りさせてもらっているだけで、正式な賃貸契約ではない。

正式な賃貸契約として知る限りで一番安いのは僕の知人が大阪で家賃３．５万円のところに住んでいた。
３．５畳。日が当たらないどころか外で雨が降っているのかさえ部屋の中から確認できないという楽しい物件である。ちなみにその知人とは、何を隠そう僕自身なのだが。

３万円台は関西ではギリギリ見かけるが、東京では４万円台が底値だ。今回はぜひともそれを越える格安物件を探したいものだ。

いろいろ調べたところ『エイブル学芸大学店』では、なんと１万８千円の物件があると知った。あらためて、エイブルのネットワークのすごさを思い知った。
さっそく電話で伺ったところ、大家さんに直接電話で交渉してくださいとの事だった。

その格安アパートは自由が丘の近辺にあった。自由が丘といえば住みたい街の人気ランキングによく登場するような人気の街だ。
自由が丘に１万８千円で住める。もうそれだけでどんな条件であろうともＯＫだろう。
本当に１万８千円なんだろうか？　少し真意を疑いながら現場に向かう事にした。