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特集


はっけんの水曜日
 
立体写真の作り方

どーん、とビル。

今度はビルだぜ

次のターゲットはビルだ。こいつを丸ごと頂きたい。頂くといっても写真に撮らせていただく、ということだけど。かなりでかいので気合が入る。

車の立体がうまくいったので楽しくなって、嬉々として写真を撮っていたのだが、偶然通りかかった友達にその姿を見られていた。デイリーの取材をしていて「何してるの」と聞かれるのが一番つらい。「ビル撮ってるの」と正直に答えたんだけど、なんだそれという話だろう。

でっかいものをちまちまと作ります。
かなり大きなビルなので、カメラを少しずつずらしながらたくさんの写真を撮らないと全体を収めきれなかった。細かく撮影した断片を組み合わせて1つの平面にする。そしてこれまでと同じように各パーツの大きさを合わせてプリントアウトし、パーツを張り合わせて組み立てる。

なんかうまくいかない。

遠近感の壁が立ちはだかります

二次元の段階で大きさを合わせてプリントしているのだが、張り合わせてみるとどうもきれいな立体にならない。車の屋根を撮影したときもそうだったのだけど、大きなものになるとどうしても遠近感がついてしまい、ビルの上の方は写真上小さく写るのだ。なのでそれらを素直に組み立てても張り合わせが直角にならない。


シュールレアリズムの世界です。

試行錯誤の末、半ば強引に組み立てたビルはダリの絵みたいな立体感になってしまった。上の方がとんがっている。遠近感を無視して立体写真を作ると、出来上がった小さな立体にも大きかったときの遠近感がそのまま現れてしまうのだ。

大きいものを立体にするには出来るだけ遠くから望遠レンズを使って面内の遠近感をなくさなくてはいけないのだろう。いつか巨大な望遠レンズを手に入れて、もう一度でかい物の立体写真を作ってみたいと思う。

立体にした車はラジコンのボディーにしました。

写真も立体もおもしろいです

写真は一方向からしか見ることができないので写っていない部分は想像するしかないわけだけど、想像することが出来るからこそうれしいこともあるのかもしれない。エロ本はそういう意味で今も二次元なのではないか。

一方で写真を使って立体を作ると、その物自体を手に入れたような感覚になる。ただの紙の張り合わせにすぎないはずなのに、立体にすると写真が物になり「眺める」から「触る」に変わるのだ。

今回の企画を通して写真のネクストステージを見たような気がしました。次にくるのはおそらく立体写真ブームですよ、たぶん。



 

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