ユーミンこと松任谷由実さんが、深夜のファミレスでお客さんの会話を聞いて歌詞のネタにしていた、という話は結構有名だと思う。そんなユーミンにあやかって、同じ手法で作詞をしてみたらどうだろうか?
今回は、スーミンこと住正徳が深夜のファミレスに潜入し作詞に挑みます。
(text by 住正徳)
ユーミンのファミレスはなくなっていた
ユーミンが実際にネタを拾っていたファミレスは、世田谷区瀬田の「イエスタディ」だったと言われている。首都高速3号線の用賀インターが近く、環八通り沿いということもあり、かなり交通量の多い場所だ。
しかし、そのイエスタディはとっくになくなっていて、住宅展示場になっていた。
イエスタディがあった当時、この周辺にはファミレスが数軒集まっていたが、今でも残っているのはデニーズだけ。
時代の移ろいを感じつつ、かつてイエスタディがあった場所に立つ。 この時、時刻は23時30分。周囲に人の気配はなく、車の走る音だけが地鳴りの様に響いている。グォオォオオォ。
イエスタディでのネタ拾いはあきらめて向かいのデニーズに入る事にした。
中に入ると男性店員が喫煙席か禁煙席か聞いて来る。
僕はタバコを吸わないのだが、どちらかというと喫煙席の客の方にドラマが潜んでいる様な気がしたので、喫煙席に案内してもらった。
デニーズ用賀店は大きく3つのエリアに分かれている。入って右側はカウンターのある禁煙エリア。左側の喫煙エリアは、トイレに近い方と入り口に近い方という2つのエリアに分かれていて、僕は入り口に近い方のエリアの角に座った。
窓からは環八通りを見下ろせる。相変わらず車通りは多い。
コーヒーを注文し周囲の声に耳をすます。 果たして歌詞のネタは落ちているのか?