以前、漫画家の東海林さだおさんが、「シューマイはひとりでしみじみ元気なく食べたほうがうまい」というようなことをエッセイに書かれていた。
ハムカツもその中に入らないだろうか?と気づいた。今さら言うのもあれだが、どうも会を催す前から、「ハムカツ」と「屋外」がしっくり来ない気がしていた。
わーい、揚がったー!と喜んでも、揚がるのはハムだ。トンじゃない。
「今日はステーキよ」と聞くと舞い上がるものだが、それが実は「ハムステーキ」だったとしたらどうか。着かけていた心のタキシードを脱いで、パジャマのままもくもくと食べることになるだろう。
つまりハムカツとはそういう食べ物だ。
しかし幼きころから刷り込まれた「ハムカツ好き」の性質が、そうじゃないと叫んでいる。ハムカツはもっとその内容に言及される資格があるのではないだろうか。それゆえの今回の企画だ。 |