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特集


フェティッシュの火曜日
 
いろいろなハムでハムカツを

ハムカツ宴の前に

スーパーや肉屋をまわってハムを集めてきた。スーパーではハムだけ詰めたカゴをレジに持っていくのが相当な恥ずかしさだ。

ふだんはあまり気にしていなかったハムの分類だが、「ボンレス」と「ロース」の区別がよくわからなかったので、ハム会社のサイトを調べてみた。

・ロースハム・・・文字通り、豚のロース肉をハムにしたもの
・ボンレスハム・・・豚のモモ肉から骨を抜いて(「Bone」が「less」だ)ハムにしたもの

それに、ハムだけでなくソーセージも買う。ソーセージカツになってしまうが、同じく調べたところによると、「ハムやベーコンは塊の状態から作り、ソーセージは豚肉や牛肉、鶏肉などをミンチして混ぜ合わせて作る」とあった。なのでこれも「ハムカツだ!」と言ってしまってもあながち間違いではない。


ハムやソーセージの舞い踊り。
揚げてしまえば個体の識別に困難を要する。前もって鑑札を作成。よい段取り。

ハムカツで逡巡

余談だが、私は「薄いカツにぐっとくる会」という会を作っており、今回はそのメンバーを集めて屋外でパチパチ揚げようと考えていた。

が、当日は天候不順。ときおり細かな雨がぱらつく。なので会は延期。買ってしまった大量のハムを消費すべく、一人でハムカツパーティを行うこととなった。

だいたい、小雨が降るかもしれないのに屋外で揚げ物を企画するほうが間違っている。

しかし、その結果ちょっと感じることもある。


ハムを卵に浸す。やりなれない感覚。
パン粉はいいのを選びました。
揚げる。薄いので反り返ったり、空気が入ったり。
ハム揚がる。

以前、漫画家の東海林さだおさんが、「シューマイはひとりでしみじみ元気なく食べたほうがうまい」というようなことをエッセイに書かれていた。

ハムカツもその中に入らないだろうか?と気づいた。今さら言うのもあれだが、どうも会を催す前から、「ハムカツ」と「屋外」がしっくり来ない気がしていた。

わーい、揚がったー!と喜んでも、揚がるのはハムだ。トンじゃない。

「今日はステーキよ」と聞くと舞い上がるものだが、それが実は「ハムステーキ」だったとしたらどうか。着かけていた心のタキシードを脱いで、パジャマのままもくもくと食べることになるだろう。

つまりハムカツとはそういう食べ物だ。

しかし幼きころから刷り込まれた「ハムカツ好き」の性質が、そうじゃないと叫んでいる。ハムカツはもっとその内容に言及される資格があるのではないだろうか。それゆえの今回の企画だ。


わかりにくいが、波うっている。
肉と衣の分離がまたいい。オサイフハムカツ。

くどくど申して参りましたが、試しに1枚揚げてみたカツをかじってみる。

「・・・・・11111!!!!!!!」

気がはやって最初Shiftキーを押し忘れたが、いや、なかなか、どうして、すばらしい。パリッとした衣、熱いまま薄いものをかじりとる快感。一句できた。

    ハムカツで うんめぇーと叫ぶ 夜中のキッチン


 

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