●ハーブで自分改革

　薬草園はあくまで標本として展示しているだけなので、それを実際に利用してみることはできない。続いて訪れたのは、同じく千葉県・大多喜町にあるハーブアイランドだ。ここではハーブも広義の薬草と考えてみる。

　やはり季節柄もあって屋外ではハーブまっさかりというわけではないが、温室内も見るとかなりの種類のものがある。

　右の写真は「ウォールジャーマンダー」というハーブ。効用はともかく、プロレス技のような迫力のある名前はとにかく元気になれそうだ。

　販売施設ではたくさんのハーブも売られているのだが、これだけあると何を買ったらよいのかわからない。そういう人のためにか、「おすすめハーブ診断」というチャートがあった。

　試しにやってみる。「朝は気分が重くやる気が起きない」といった質問にイエスかノーかで答えていく形式。どうしてもネガティブな方を選びがちになってしまった結果、たどり着いたのはＤの診断。

　結果が書いてある紙をもらい、診断を読んでみる。

普段から体調が気になるあなたは、じっくりと腰を落ち着けて体質の改善に取り組むことが必要かもしれません。あなたには、体に合ったハーブや、健康法をアドバイスしてくれる人が必要です。

　他の結果には具体的なハーブを診断してくれているのに、Ｄだけはこんなだ。そんなことアドバイスしてくれる人なんていない。

　早速記憶力アップの効果を検証してみよう。今回利用したのは、「Simon Says」というネットゲームだ。４色のボタンが次々と押される順番を覚え、同じように自分も押してみるというものだ。

　まずはハーブティーを飲まずにやってみる。

　結果は６回。失敗すると「はい、残念でしたー」という感じの屈辱的な音がして気持ちも沈む。いくら記憶力アップ前とはいえ、これって少なくないだろうか。だいじょうぶなのかと心配になる。

　まあいい、前向きに考えよう。人間が高く飛躍するためには、まず小さくかがまなくてはならないのだ。

　無理やりな理屈で自分を鼓舞したところで、買ってきたハーブティーを淹れる。ほどなく漂う、普通のお茶や紅茶にはない独特の香り。これで結果が出なかったらどうしよう。お茶を作った人にも悪い。

　飲んでみて再び挑戦。結果は……。

　７回！見事、記憶力アップだ！！

　…そんな風に手放しで喜んでいい結果なのだろうか。上がったとは言え、やっぱり７回って少なくないだろうか。

実験結果：記憶力は上がる。上がるけど……

なにものにもとらわれずお茶を飲みたい

　平常心ではいられなかった今回の記憶力テスト。６回クリアでとりあえずの結果を出したという安堵感が起き、その時点ですっかり気持ち的に開放されたのだと思う。

　まあ終わったんだからもういい。記憶力のことは自分の中でうやむやにしてしまいたい。

　結局あいまいなままに終わる薬草での自分改革。薬草うんぬんよりも、それ以前にもっとメンタルな部分でしっかりしたいと思う。