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はっけんの水曜日
 
ある日、森の中でフリマに出会った

朝日の中で超渋滞。というか止まってます。
渋滞の先にはさらなるフリマが

帰り道は気だるかった。徹夜で遊んだ次の朝みたいに弱った体に新しい光がまぶしい。早く帰ってもう一回寝ようと思っていたのだが、なぜか妙に車が渋滞しているのだ。森に向かう抜け道のはずなのに、道の両側の路肩にはずらっと駐車した車が列を作っていて道はほとんど一方通行状態だった。ずっと先の方で誰かが交通整理をしているようだ。

なんだろうこの渋滞は。フリマ帰りの人たちなのか。

と思って車を進めると、どうも路肩で車の荷台を開けて何かを売っている人たちがいる。え、てことはここもフリマ。


路肩で商売始めちゃってます。
なんか水道管とか蛇口とか売ってました。

肉屋。かなり繁盛してました。
価格破壊を通り過ぎた店舗たち

怖気づきながらも車を進めると一台の大型のトラックが荷台を開けて止まっていた。そしてその後ろには簡単なやぐらのような陳列棚が出来ていて冷凍の肉が所狭しと並んでいる。肉屋だ。

で、この肉屋がまた怖いくらいに安いのだ。下の写真以外にも、すごい量の枝豆が100円、業務用みたいなチーズの塊は200円だった。だけど注意しなくてはいけないのが賞味期限。枝豆は明後日が期限だった。悔しいことにぎりぎり期限内なのだ。2日でそんなに豆ばかり食べるとは思えないが、そのあたりを気にしなければかなりお買い得ともいえる。

一皿、という単位が間違っているような気もします。
焼肉屋でタン塩を注文すると安い店でも一皿300円以上する。だけどここは300円ポッキリ。しかも一皿の量がまた間違っています。
マグロのカマの前で悩む筆者(左)と友達(右)。結局買って帰りました。
ヤギ肉なんかも売っています。ここの肉の中では最も高額。とはいえこの一袋というのがまた大量。

路肩には空きがないほど商店が密集しています。
売ってはいけません

以前、趣味で集めていた爆弾が爆発して亡くなった人がいた。ニュースとかでも取り上げたれていたと思うが、自衛隊や米軍の演習場に忍び込んでは地雷やら薬きょうやらそういうものを拾ってきてマニア達に売っていたおじさんだ。その人の店があったのも実はこの一画らしい。

その一件があってからというもの、この周辺での出店行為が規制されるようになったのだという。まあ見た目にはそんな規制なんてなんのその、のびのびと商売させてもらってますわ、という感じにも見えるのだが、どうやら実はそうでもないらしい。

何でも売っているお店。何でもある、というわけではなく、何でも売る、という意味で。金網で囲まれているのは防犯対策か。
道からそれたちょっとしたスペースには所狭しと商品が。値札とかそういうケチなものはなく、すべておじさんの言い値。
飲食店もある。ヤギ汁とかイカ汁とか。絶妙なフォントがうまそげでしたが、怖くて入れませんでした。
この通り唯一の本屋で立ち読みをする買い物客かもしくは店の主。
ここは楽器屋。ギターからウクレレ、空き缶で作った三味線などを扱う。店の奥は居住スペースになっているっぽかった。店舗兼住宅。すでにフリマの域を超えてしまっている。
電気屋。ラジカセはじめ家電製品各種とかなり懐かしいラインナップのアダルトビデオ。店舗は屋根の方から自然に帰ろうとしています。


撤去しろ、と言われていました。

常識にとらわれるな、と言っています

筆者も実は最近沖縄でお店を始めたばかりだ。店舗を持つにあたって、保健所の許可を得るためにかなり無理して設備を整えた。そういう経緯もあって他のお店に入るとつい設備だとか許可証だとかに目が行ってしまう。

だけどこのフリマを見て考えを改めさせられた。

今日はたまたま電気機器が集まったから電気店、料理を作ったから飲食店、野菜がとれたから八百屋、だ。そこには面倒くさい法規制だとか免許だとかを超越した世界が広がっている。世界は一つの尺度では測りきれない、ということだ。ということか。もうどうやって締めたらいいのかわからないのでこのへんで終わります。来週も行きますよ、フリマ。




 

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