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はっけんの水曜日
 
スープ焼きそば紀行〜知らない人と温泉1泊編〜

お茶を入れ、ザ・温泉まんじゅう、みたいな温泉まんじゅうを食べます。



「そーいえば、辛いせんべい、発狂くんを持ってきたんですよ」


「わー食べてみたーい!」
「がんがん食べてくださーい」
「……ん、これ、全然食べられますよ」
「うん、食える」
「大塚さんが原稿に書いたほどじゃないですよ」
「え……まじで?」
3人とも平気な顔してバリバリ食べています。がーん。
「……とりあえず温泉はいりますか」

お風呂入って、食事して……飲み会に突入です。



「僕、ビールはちょっと。やっぱり焼酎ですねえ、大分出身なんで」
「地域的にお酒の好みって違うねー」
「いやあ、小さい頃から、飲まされてましたから。もうバリバリの九州男児ですよ、僕。二日酔いで部活とか行ってましたから」
「……うーん、もう成人だから、時効の話だね!」
「バドミントン部だったんですよー」
「バドミントンって、すっげえハードなスポーツでしょ?」
「窓、しめきってやりますからね。一度気温はかったら、43度くらいありましたから」
「げー」
「Tシャツとか、5回くらい着替えましたからね。全部、しぼったらジャーって汗が出て。でもなんか、変な部だったんです。部長がデートだから今日は練習ナシ! とか。今日はサッカーやるから! なんてこともしょっちゅうあって。麻雀やったり」
「はははは」
「でもなんか強かったんですよ。僕は県でベスト16にはいってたんですけど、16なんてバカにされてましたから。ヒトケタの人ばっかりでしたから」
「すごい部活だねー」
「焼酎飲みながら、サッカーやりながら!」
「あ、実は僕、いまもやってるんですよ、バドミントン。サークルですけど」
「え、ゲーム業界、過酷でしょ?」
「4徹くらい、平気でしますねえ」
「なのにバドミントン!」
「しますねえ」

(中略。徐々に酔ってワケわからなくなっていく私たち。)

「これねえ、女装したときの写真です。ていうかねえ、かっこいいって言われないけど、カワイイなら自信があるんです!」



註・写真もカワイイですが、彼の場合、実物のほうがもっとカワイイかも。

「うわ、かわいいねえ。でもキレイな顔だから、女の子にモテるでしょー」
「いや僕、早く結婚したいんですよね。友だちの子供とか、かわいくってねー」
「へえ……そうなんだ」
「ていうかねえ、僕、性欲とかも、最近ほとんどないんです」
「え、ええー?」
「友だちの女の子とか泊まりにきても、フッツーにそのまま眠って終わりですから」
「そうかー」
「いやあ、仕事して結婚して……(以下、簡単な彼の人生プランの説明が)」
「……いやあ、しっかりしてるねえ……。でも、どうしてそんなの、ハタチで考えるようになっちゃったの?」
「なんでですかねー。あのね、僕、自分のこと大好きなんですよ」
「え?」
「自分のことが好きなんです」
「……そかー。でもさ、自分バブルって、はじけるよう」
「え? 意味わかりません」
「うーん、なんかはじけるんだよー、よくわかんないけど!」

……そのときは私は酔っていて、「自分バブル」をうまく説明できなかったので、ここで補足。
実は私は彼のまったく逆で、ずっと自分のことが嫌いでした。「自分嫌い」バブルでずっと過ごしていて、やっと最近、自分にも、好きなところと嫌いなところがあるなあ……と考えるようになったのです。
でもそんなの、見当違いな話なのかもしれないし。
毎日話してる人とも分かりあえないのに、数時間話しただけで、人のことなんか分かるわけないのです。
でも初対面の人と長く喋るのって、やっぱり面白いなあ、と思いました。初めて行く土地の、初めて見る景色みたいに、新鮮です。

「……しかしなあ、きみは……無駄な美形だなあー」
「どういう意味ですか!」
「いや、なんか、それだけキレイだったら、もっとおいしく生きれるのではないかと……ムニャムニャ」
「え、ええー」
「いやわかんない、そのままのほうが、面白いからいいかもしんない!」
「ていうか、大塚さんとか皆さんは、結婚とかしないんですか?」
「…………うるちゃーい!」

ちなみに田中さんのしてくれた某業界話もメチャクチャ面白かったのですが、問題がありすぎてここには書けません。


しょうもない会話をしつつ、夜はふけゆく。



 

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