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問題の祖母の肉じゃが

最後に、今回の調査のきっかけとなった祖母の料理である。母たちの肉じゃがの入ったタッパーをかかえ、東京に戻った私は早速祖母にも肉じゃがを作ってもらうように頼んだ。が。

「私、肉じゃがって作ったことないのよねえ」

↑これ、祖母のセリフである。今年84歳、主婦歴53年。なんと、本当に肉じゃがの調理経験がないという…!
なんでも、先年無くなった祖父がスキヤキ好きで、肉じゃがを作るぐらいならスキヤキにしたというのだ。肉じゃがとすき焼き、確かに味付けは煮ているが、なかなかどうしてイコールでは結ばれにくいメニュー。

「肉じゃががなければスキヤキを食べればいいのに。」

って、そんな。暴動が起きるぞ。もちろん、祖母は浅丘雪路さんのようなお嬢様ではない。普通の家庭の普通の主婦なのだ。それだけ祖父がスキヤキ好きだったということだろうか…。

ここで諦める訳にはいかない。肉じゃが以外には煮物はよく作る祖母だ。なんとかお願いして84年目の肉じゃがを作ってもらった。


エントリーナンバー5
祖母・古賀久美子(84)
料理歴 主婦歴63年。天ぷら油に素手を突っ込んで温度の確認ができる。
肉じゃがの具 肉(牛)、ジャガイモ、玉ねぎ、白滝
味付け 酒、めんつゆ
ポリシー 実は肉じゃがを作るのは初めて


素早く味見
しかも、煮ている間に汚れ物はかたす
祖母の肉じゃが、できました

まずはジャガイモ(煮くずれないメイクイーンをセレクト)、玉ねぎ、白滝をサクサクっと切り、肉も酒で下ごしらえ。

自分や妹たちのノロノロした料理ぶりを見てきたせいかもしれないが、祖母、すごく手早い。なにしろ主婦歴だけで一人の初老の人生分(祖母は主婦歴63年)だ。玉ねぎを炒め、肉を投入、味付けの酒とめんつゆを目分量で入れると、ここで味見。

ジャガイモと白滝を入れて、上からあく取りシートをかぶせる。そういえば、実家では全員手動であくをとっていた。祖母、ぬかり無し。

煮込むまで、下ごしらえを入れて10分もかからなかった。こんなに素早い祖母を見たのは久しぶりだ。主婦の血が騒いだということだろうか。
ジャガイモが柔らかくなったところで再び味見。めんつゆを少し加えたら、強火で汁を飛ばしてフィニッシュ。

肉じゃがを作ったことがないという祖母が、これまでで一番肉じゃがらしいものを作り出した不思議。

見た目は以外に味が薄そうだが、食べてみるとさすがにしっかり味がついていた。果たして、私や母の作った肉じゃがに比べ、どれぐらい濃いのだろう。

これで、サンプル肉じゃがは全てそろった。いよいよ味の濃さを測定します。


計測器、登場


 

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