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特集


ロマンの木曜日
 
タクシー運転手の行きつけ 〜ソウル編〜

前は模範タクシーに乗っていたよ
開いてるかどうかわざわざ見に行ってくれたおじさん
どうもいらっしゃい

高級住宅街のカフェで……

お昼ご飯にはまだ早いので、その前においしいコーヒーを飲ませてくれるお店に案内してもらう事にした。

今度も一般タクシーを拾い、さっきより慎重に企画の主旨を伝えてもらう。運転手さんが良く行く喫茶店。安くておいしくて居心地のいいお店に連れてって下さい。

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2人目の運転手さんは、以前まで模範タクシーをやっていたらしく、店には詳しいと言っている。高知に親戚が住んでいるとも言っていて、僕たち日本人には親しみがあるようだった。かなり早口で色々と話しかけてくるが、青木さんも相づちを打つのが精一杯で、いちいち訳してくれない。

何を言っているのか分らないまま、気付くと車に乗ってから20分ほどが経過していた。随分と遠い所まで来てるんじゃないか?
「何だか結構乗ってるけど、大丈夫?」
不安になったので青木さんに聞いてみた。どうやら日曜日の午前中にやっている喫茶店は少ないらしく、遠くに向かっているという。まあ、信じるしかない。

運転手さんお薦めの喫茶店は朝粥のお店から25分、料金にして7500ウォンの場所にあった。カンナム地区という高級住宅街の中にある「テラス」というカフェだった。

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3階建てのお洒落な建物に入ると、中から上下ジャージ姿のおばさんが出て来た。

「日曜日の午前中はお客がこないから」
おばさんは少し言い訳っぽく笑いながら、僕たちを2階の席に案内してくれた。


ゆったりと座り心地のいいソファー 3階にも広いスペースがある
手作りスウィートもあって バースディケーキもある

コーヒーは正直言ってそれほどおいしいものではなかった。味が薄いのだ。
青木さん曰く、韓国のコーヒーは大抵こんな感じだという。


ブレンドコーヒー4000ウォン

薄いコーヒーを飲みながらおばさんの話を聞く。親戚が東京から1時間のところに住んでいて、日本人の公務員と結婚していること。12月には2人目のお孫さんが産まれること。そして、この周辺はタレントさんが沢山住んでいて、このお店にも良くやって来るということ。

「今日も近所でドラマのロケをやってるのよ」

おばさんは嬉しそうに外を指差していたが、ジャージ姿のおばさんが切り盛りするお店にスターがやって来るとは思えない。話半分で聞いておいた。

お昼の時間も近づいて来たのでそろそろ出ようかと思っていると、何だかゴージャスな出で立ちの女性が入って来て1階席に座った。


あっ! スター?

もしかして、スターじゃない?
僕と青木さんは顔を見合わせた。

 

 

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