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特集


はっけんの水曜日
 
東京・空き地を愛でる会

大塚:で、物件3ですが。
これは某所の団地のすみにある、無駄スペースなんですけど、土が盛ってあって金網でかこってあるんです。

物件3

 

林:なんですか、これ? なんかの跡地ですかね。
大塚:いや、土がこんもりと……小さな山になってて。
林:昔の団地って水道タンクとか、変電設備とかなかったですか?
大塚:なんかの設備の跡ですかね?
林:とりあえず、バッタがいそうです。
大塚:でもね、子供が入ると危ない雰囲気はあるんです
林:空き地って入るなって言われましたよね、子供のころ。
大塚:土や砂に埋まって事故になることもありますからね。
林:でも、そういうところにでかいバッタとかいるんですよ。
大塚:いるかなあ、バッタ。入りたいんですけどね、ここはほんとに入れない場所なので。
いつも「こんもりしてるなあ…」と思って見てるだけなんですけど。
林:徐々にこんもりが高くなっていたら面白いですね。
大塚:いやですねえ。
あと、桑とか、意外な植物が生えてるのも、ここのいいところです。


物件4

 

大塚:物件4はS区の住宅密集地で、放火とかがよくある発生する区域なんですけど。確かに燃えそうっていうか枯れ葉多くて。見たことない植物がいっぱい生えてて。
林:寝ると気持ちよさそうです。
大塚:実はこのタイプの空き地が、個人的にはいちばん好きなんですけどね。
林:でも実際寝ると、ほんのりうんこくさかったりしませんか?
大塚:さあ、寝たことないので…。でも近所の猫は、よくトイレに利用してそうな感じはします。
林:ここ、水道がクラッシックですね。
大塚:どういう人が住んでたんですかねえ…。
林:こうやってみると、水道って家とは別物なんですね。
大塚:うーん、まあそりゃそうでしょう。水道は、世間の血液ですから。
林:骨の一部が歯として外に出ているように、水道が出てる、ってかんじします。
大塚:次、きらいなタイプの空き地です、物件5。


物件5


大塚:結果的に駐車場になってるタイプ。
林:つまんないですね。
大塚:じゃりもおざなりにひいてあって…。
林:駐車場にするから雑草も生えないのか。
大塚:ぬいてるのでは?
林:「草むしり」なんてのび太しかしないと、思ってましたが…。
大塚:いや、草むしりは、今はサービス業ですよ。うちのアパートの脇も、業者が定期的に抜いていきますもん。
林:草むしりというと、軍手をしたのび太が舌を出して「ひー」とか言いながらやってるイメージがありますけどね。
こういう空き地って、鉄板がありますよね。
大塚:あのゲージツ家のクマさん、篠原勝之さんって、昔お金のなかったころに、ああいう鉄板をひろってきて、勝手に作品の材料にしてたって言ってましたけど。
でもあの鉄は、あれは水たまり防ぎじゃないですかね?
林:あ、そうなんですか。
大塚:いや、なんつーか、重い車が沈まないようにしてるのかなと。わかんないですけど。
林:ああいうのが「ガコンガコン」という音がするのって、風情ありますよね。


物件6


大塚:あと、物件6も好きじゃありません。
これ、裕福そうな寺の横にある空き地なんですが…。
林:お寺なんですね。
大塚:かこい、っていうか既に「垣根」になってて。椿のつぼみもあって、泥棒よけに、葉っぱがちくちくした木まではやしてる。
ここは娘が結婚したら家を立てるとかなんですかね?
林:ぎゃくに息子のために売った土地かも。売りに出してる土地とか。
大塚:売ってるんですかねえ。
林:高そう。?高すぎて買い手がつかないんでしょうね。
大塚:雑草もなくて、手入ればっちりなんですよねー。
売れなくても困らないんでしょうね。
ここで穴とか掘ったら怒られるだろうなー。
林:宗教家としての資質が問われますね、対応で。
大塚:でも「ちくちくした木を垣根に」配置してる時点でなんかねえ、うーん、あんまり好きじゃないです。

 

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