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特集


ひらめきの月曜日
 
かわらで煎餅を焼きながら


醤油煎餅づくり、そのあらまし

炊けたご飯は冷ましてラップに包んでつぶす。つぶしたら丸く煎餅型に。家から持ってきていた乾燥ずみのものと一緒に焼いていく。


ラップで包んでつぶし、 まるく整える。楽しい

両面裏返しながら焼いていき、きつね色になったら醤油にみりんを混ぜたタレによくつけ込む。しっかり味がしみたところで、乾かす程度にもう一度焼く。以上。


焦がさないように焼いて タレに漬ける

一見簡単なようで、レシピを見た段階でも楽勝だと思っていた。しかしこれがなかなか難しい。特に、醤油を塗った後は火加減に気を付けないと途端に焦げてしまう。


わ、左の!焦げた! と思ったら真ん中のも!

最初、煎餅屋さんのように大量の煎餅を鉄板の上に並べ、トングでどんどんひっくりがえしながら焼いていこうと思っていたのだが、鉄板だと火力が強すぎてすぐ焦げてしまうのだ。苦肉の策として、鉄板の上にフライパンを乗せ、火に近づけたり遠ざけたりして火力を調節することにした。


鉄板の上にいっぱい煎餅をのせて煎餅屋さん気取りするはずだったのだが…

一気に大量に焼けると思っていたのが、二人がかりで3枚がやっとだ。59歳と25歳の二人がバーベキューセットに向かって頭を付き合わせ、オセロでもしているかのように煎餅をひっくり返す。

うっかり焦がしてしまったりしつつ、作業自体にはだんだん慣れてきた。せっかくの機会だ、取り繕うように世間話をするよりも、何か今しかできない大切な話をしよう。

娘「なんだかんだで、私ももう25歳になっちゃったよ」
父「そうだなあ」
娘「早いねえ」
父「早いなあ………」
娘「………」


………

父「………そういえば、こないだゴルフで肉離れやったんだよ」
娘「え、肉離れって、とにかく痛いっていうやつ?」
父「うん。すごく痛かった。肉離れって今までやったことなかったんだけど、あれ、つまりスジが切れるんだよな。ボコって音がしたよ」
娘「ボコっ?」


「あ、カヌーだ」一瞬気をとられながらも肉離れの話は続く

父「うん。ブチっ、じゃなくて、ボコッだった。最初、ボールが当たったんだと思ったんだよ。で、後ろ見たけどボールなんか落ちてなくて、おかしいなと思ったらえらく痛みはじめてさ、大変だよ」
娘「あらー。ゴルフどころじゃないねえ」
父「もちろん途中でやめたよ。今日も医者に行ったんだけど、だいたいもう治ってるって。でもあと3週間はゴルフはダメらしいんだよなあ」

本当だったらこの日もゴルフに行くはずだったそうだ。大好きなゴルフを禁止され、仕方なく家でゴロゴロしていたところを煎餅要因にリクルートされたわけか。いや、だから私はもっとシリアスな話をしようと思ったんですが。あ、いけね、焦げる。


ハンバーグのように焼かれゆく煎餅

最終的に鉄板ははずし、直接火にかけてフライパンを上下させて火力は調節した。煎餅というよりもハンバーグのように焼かれている。結局用意した10枚のうち、致命的なほど焦げずに焼けたのは6枚(途中つまみ食いした分は除く)。


肉離れの話をしながら焼き上がった煎餅たち

写真は右から3枚目までがレンジアップして持ち込んだ乾燥済みのもの、その他は飯ごうで炊いたご飯で作ったもの。ふふふ。これがすごく美味しくできたんですよ!

あらかじめレンジにかけて乾燥させておいた方は、パリパリの場所と柔らかくてクニクニした場所があって面白い食感。


炊き込みご飯のお焦げに近い?

飯ごうで炊いた方は醤油とみりんのタレが香ばしくて、しょうゆかけご飯を焼いて食べてるみたい。あ、そうか。これは焼きおにぎりだ。これから焼きおにぎりを作るときのタレは今回みたいに醤油にに少しみりんも入れることにしよう。

「おい、もういいのか、かたすぞ」
私がのんびり食べていると、父は焼き終わってやることがなくなったのか早くも帰り支度を始めようとしている。

ちょ、ちょっとまって下さい! まだ瓦煎餅を焼くんだってば。それでは引き続き、いよいよ河原で瓦煎餅を焼きます。



 

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