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特集


ひらめきの月曜日
 
かわらで煎餅を焼きながら


ご飯でつくる簡単醤油煎餅

まずはずっと作りたいと思っていた醤油煎餅から着手。

醤油煎餅の作り方の基本は、お米を蒸して、ついて、成形して、冷却して、乾燥(干す)して、焼いて、冷まして、味付け、と、かなり手間がかかる。

今回は、残りご飯でお煎餅を作るというレシピを参考にさせていただき(こちらです)作ってみることに。残りご飯をつぶしてレンジで乾燥させてから焼くというものだ。

河原にレンジを持ってくることはなかなか難しいため、あらかじめレンジにかけたものを用意した。


レンジ直後の煎餅予備軍たち

しかし、元々、米を使ったお菓子である煎餅を作りたいという思いの裏には久しぶりに「飯ごう炊さん」をやってみたいという希望があったのだ。

せっかくなので、飯ごうで炊いたご飯を単に煎餅型に伸ばして焼くという、乾燥の工程を省いた超略式煎餅にもチャレンジすることに。


懐かしの飯ごう。ホームセンターで1000円

飯ごうと言えば石で組んだ釜。まずは大きな石を拾い集めることにした。家から持ってきた軍手をはめ、辺りを探す。軍手は左右がそろっておらず、適当にあるものを持ってきたのだが、父が左手にはめた軍手に何か書いてあった。ん?それ何て書いてあるの?


ガッ?

娘「“ガッ”? 何だろうね」
父「あれじゃないか、もう片方に“ツ”って書いてあったんじゃないか」
娘「………“ガッツ”?」
父「それしか考えられないだろ。あー、増水しちゃって大きな石、見あたらないな。釜は無理だ。火はバーベキューセットでおこそう」

私が軍手に気を取られている間に父はサクサクバーベキューセットを用意して飯ごうをセッティングしていた。


結局こうゆう感じになりました

飯ごうの取っ手の部分を木の棒に通して火の上にぶる下げたいという娘の願いは一瞬で却下だ。

それにしても父は動きが素早い。だって、軍手に“ガッ”って何よ。もう少しその話題ついて絡んでくれてもよさそうなものを。

そんな娘の葛藤をよそにご飯は順調にたけてゆく。


沸騰したら弱火にし、静かになるまで待つ 静かになったら逆さにして10分ほど蒸らす

娘「おっ!吹いてるよ!どうする、これ、一旦開けて様子みる?」
父「いや、まて、そのままグラグラいわなくなるまで待つんだよ。今火を弱めるから」
娘「グラグラいわなくなったけど、まだですかね」
父「(飯ごうに触れて)…、よし、オーケー、ひっくり返して!」
娘「は、ハイッ」
父「(10分後)よし、10分。開けてオーケー」
娘「ハイッ」

父マターで着々と進行する作業。飯ごうを開けてみたら炊け具合は完璧だった。ゴルフとナンクロ以外に趣味は無いと思っていたが、こんな形でリードされるとは。


やや固めに、しかし完璧な炊きあがり

河原で卵かけご飯を食べる

このまま煎餅作りの作業に移るべきところだが、たまらずご飯だけで試食。瓦煎餅の材料として多めに持ってきていた卵で卵かけご飯にしてみた。

卵かけご飯というと、私はお茶碗にご飯を軽くよそって真ん中に穴を開け、そこに醤油をさした溶き卵を流し込むというのが流儀ですが、皆さんはどうですか?


私流はこんな感じとなっております

アツアツのご飯にちょっと冷たくなった卵が混ざってゆく。たまらない。ああ、今日はご飯を炊いて本当に良かった。

いや、もう本気で今週のひらめきの月曜日は「河原で卵かけご飯を食べる」でいいんじゃないかと思いたくなる美味しさだ。放心。


今年食べたものの中でベスト10に入る美味しさ

「おーい、煎餅はどうした、早く焼け、焼け」
父の言葉で催眠がとけた。はっ、イカン。今日は河原で瓦煎餅だ、河原で卵かけご飯じゃ文字通りシャレにならない。

それにしても父は卵ご飯にはまるで目をくれない。今回の目的が「煎餅を焼く」と聞かされている以上、ベクトルは完全に煎餅に向かっている。せっかちというか、そうゆう人なのだ。

「いいのか、もう鉄板に油流しちゃうぞ」
ああ、いやいや、油はまだです。それではいよいよ煎餅作成に入ります。卵かけご飯は煎餅が焼けてからもう一杯食べよう。


 

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