デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

特集


ロマンの木曜日
 
誰でも絵が描けるようになる

描き終えてハリーポッターを読む子ども

みんな、続々と描き終わるが……

僕がひょろひょろと茎を描いている頃、子どもたちは既に描き終わっていて、すっかり授業に飽きてしまっている。本を読み出したり、落書きをしたり、パレットの中にイカを描いている子どももいる。

そうなってくると、教室はどんどん賑やかになっていき、僕の集中力も途切れがちになっていく。

楽しそうだなあ、子ども。やる事がないんだったら、外に出て受け身の練習でもしてればいいのに。

オリジナルな落書きを始める子ども
3回目の授業で描いたイカをふたたび
かばんにもイカが
後片付けを始める子どもたち

素敵な茎、と誉められた
みんな帰っていき
出来上がった頃にはほとんど人がいない

主婦たちも続々と描き終える

みんな続々と描き終えていき、出来上がった作品は先生によって葉書サイズに断裁される。

「あら、素敵」「まあ、綺麗」
そこらじゅうから誉めあう言葉が聞こえて来る。
後から松本先生から聞いたのだが、キミコ方式では他人の作品を誉める事も大切なのだという。
生徒さんたちは見事にそれを実践していて、まだ描き途中の僕のネコジャラシでさえ、

「素敵な茎」
と誉められた。まだ茎だけなのに。

--

ようやく終わりが見えてきた

なんとか穂の中の種を描き、毛を生やした。
後は葉っぱを残すのみだが、周りを見るとほとんど人がいなくなっている。

キミコ方式なので、ここでやめてしまってもいいのだろう。
しかし、乗りかかった船だ。最後まで描きたい。

「終わらない仕事はないから、がんばろう」

今、ちょっと厄介な仕事を抱える弊社前田は、代理店の担当からそう慰められたらしい。
終わらない仕事はない。偉いお坊さんから言われそうな言葉だ。


そして遂に、僕のネコジャラシも完成にいたった。


住正徳作、ネコジャラシ

割といい線いったものと、自負している。
キミコ方式効果あり、です。

これからはキミコ方式で黒澤明ばりのカラー絵コンテを作り、打ち合わせに臨みたいと思います。



3原色だけを使い、色を作るところからはじめる。細部から描く。それらはすべて、対象物をじっくり観察するための手法なんだ。と、描いているうちに気付いた。まあ、当たり前の事なんでしょうけど、そういう当たり前の事が中々出来ないんだよなあ、と、改めて考えさせられた。

時間があったら一度試してみてください。ネコジャラシとの距離が縮まりますから。

キミコ方式:
https://www.kimiko-method.com/index.html


 

▲トップに戻る 特集記事いちらんへ
 
 



個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.