●ウェルカムカカシワールド
今回訪れたのは、千葉県・鴨川市にある「みんなみの里」という施設。農産物の直売コーナーがあったり、地元のおみやげ類が販売されていたりなど、いつも人でにぎわっているちょっとした観光スポットだ。
入り口のところに建っている巨大な看板からしてカカシ型。でかさに気合いを感じつつも、やっぱり顔はとぼけている。
よく見ると向かって左の肩には鳥の模型が。カカシとしてそれでいいのだろうか。
親しみやすさ先行型のカカシ。鳥を追い払うというカカシ本来の機能としては疑問に思う部分もあるが、やはりクラシックな味わいはある。
さて、中の一角には「かかし作り教室」の掲示があり、実際に作れるようになっていた。教室なるところで何を教わるのは久しぶりの経験だが、それがカカシの作り方になるとは自分ではもちょっと意外な気がする。
●メッセージ性の強いカカシ求めて
教室の脇には見本としてだろうか、すでにできあがったカカシが立てかけられていた。
緑色の服を着たカカシ、これもどちらかというと親しみやすさが先立った作風と言えるだろうか。鳥たちを追い払うというカカシ本来の目的は影をひそめ、むしろ鳥たちに対してオープンマインドで接しているようにも見える。
うーん、作風としてはもちろんこういうものもあるのだと思うが、自分が目指しているものとは少々違うだろうか。
その点、赤いオーバーオールをまとったカカシの方にはある種の迫力が感じられる。服装のコーディネートが印象的であるだけでなく、その表情にもただならぬものがある。
鳥たちもきっと何かを感じるたたずまい。そういう感じを出していきたい。
そうは言っても、そうした趣きはたやすく出せるものではないだろう。実はカカシ作り体験をするに当たって最も悩んでいたのはそのデザインなのだが、いろいろと考えているうちによいお手本を思いついた。
写真の木像。ウェブマスターである林さんのお父さんが、木曜日の特集を担当されている住さんをモデルにして作った像だ。(こちらを参照)
他の方のデザインを拝借するのは恐縮なのだが、私がこの像を見て感じたものを鳥たちと分かち合いたいという気持ちも湧き出てきてしまった。インターネット時代における鳥たちへのアンサーとして、こんな顔のカカシを作ってみたいと思う。
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