ハイテンション、抽せん会
会場はどんどん埋まってゆく。平日の昼間とあってか、ショウに北島三郎さんという人選あってか、会場は60代以上とおぼしき方がほとんど。
みなさんお弁当、厳密に言うとおにぎりか助六を食べながらのんびり待っている。抽せんを前に緊迫したムードを予想していたのにもかかわらず、ちょっと意外。むしろ緊張しているのは私の方だ。
今更だが、何となく当たるんじゃないかと変な自信がわいてきたのだ。万が一当たっちゃったらどうしよう。どんな態度をとればいいんだ。周りの人にバレでもしたら、帰りにみんなに一杯おごらなくちゃいけなくなりゃしないか。
チャラララッチャ チャラララッチャー♪ そんな不安をよそに軽快なフュージョン音楽が流れ始めた。開演だ。
出てきたのはキラキラのドレスを着たダンサーの皆さん。平日の昼間とは思えない艶やかなダンスで宝くじへの不安も期待もいっぺんに吹き飛んだ。後ろにある抽せん用の回転板ももの凄い勢いでクルクル回り、しょっぱなからかなりのハイテンション。
サクサク3等まで抽せん
一通り関係者の方の挨拶がすむといよいよ抽せんが始まる。簡単に言うと、抽せんは後ろの回転板に機械で矢を射って行われる。判別しにくい場所に矢が刺さった場合は、ステージ前に座っている4人の立会人の方々が双眼鏡を使ってチェック。
そもそも、数字と数字の間には金属が埋め込まれ、微妙な場所には矢が刺さらないようになっている。何しろ動く金額が並々ならぬだけに、抽せんは厳密だ。
矢を機械にセットし、 音楽の合図で矢の発射ボタンを押すのは、オープニングで踊っていたコマミュージカルティームの皆さん。さっきまで陽気にダンスを踊っていらした方々が、この局面で一番重要なポストを担っている。お見それしました。
1,ピンポンパーン パンピンポーン(合図、発射ボタンオン)
2, プスッ プスッ(矢が刺さる音)
3, ザワザワ(会場のどよめき)
だいたいこの3ステップで、もったいぶることなくサクサク3等までの抽せん番号が決まっていった。サクサク、といっても4等ともなれば10万円、3等に至っては100万円だ。十分高額当選金なのだが、1等の2億円と比べられたら脇役扱いもいたしかたない。
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