城のような役所。
東照宮から駅までは歩いて帰ってきた。道中、バスの車窓から見て気になっていた物件を探すことにした。
大通り沿いに市庁舎はすぐ見つかった。なんだこれは、本当に市役所でしょうか。
これはもともと個人がホテル経営を目的として建てたものだそうで、「大名(だいみょう)ホテル」という名前も決まっていたらしい。そのあと持ち主が変わり、最終的に市のものに。おそらく最古の市庁舎であるようだ。
しかし「大名ホテル」とは、ストレートな命名である。
そして謎の林
ふと、庁舎の向かい側を見ると、「あった!」あの謎の木々が、にゅっと突き出しているのが見える。
あの木の元には何があるんだろうと、確かめに行く。
民家の並びを横に入っていく。雨もぱらついてきて、足が速まる。知らない町の、知らない横道を、なぜか目的を持って確固たる足取りで歩いていく。
そこは、やはりこうなっていた(下写真)。
看板はもうほとんど字がはがれ落ちていた。「観音寺虚空蔵堂」と名前がわかったくらいである。あとのことは何もわからない。
強まってきた雨を避けながら見上げた。平坦な住宅地にあっては高すぎる樹木が、なんだかこの世のものではないような気がしてきた。
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