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特集


ひらめきの月曜日
 
ふりかけのすべて


ふりかけのできるまで

簡単に分けて、ふりかけ作りは以下の行程で作られる。(1)原料を洗浄する (2)細かく切断する (3)味を付ける(4)乾かす (5)目視検査 (6)各材料を混ぜる (7)包装する

この工場の製法は小学生用の教科書にも
載っている

ここだけの話ふりかけって、あまりにも統制のとれた姿形ぶりに、何か別の物に鮭の味を付けてるとか、トリッキーな作りだと思っていた。とんでもない勘違いだ。シンプルに、ちゃんと鮭は鮭から、卵は卵から、タラコはタラコから作られていた。

それでは、各過程を見ていきます。これが、全行程、妙に美味しそうなんですよ!

 

(1)原料

材料の広島菜の漬物や梅干しなどはふりかけ用に漬物業者と開発したものが使われているそうだ。ふりかけ加工用漬物。すごい漬物があったものだ。

もちろんその量はハンパない。 広島菜、ひとタル60kg。このタルが原料コーナーにぎゅうぎゅう並んでいた。1日に約1,900kgも使われるそうだ。おおー。個人摂取量にまるでとらわれないダイナミックな量の目撃は工場見学の醍醐味の一つだ。


大量の広島菜漬け、この時点で既にうまそう 全部漬物、漬物、漬物しかもふりかけ用

(2)細かく切断

各原料は洗ったり、焼いたりした後早速細かくされる。かつお節は削り機で、海苔やワカメは切断機で。それぞれの原料にそれぞれ専用の切断機がある。


かつお節削り機 in かつお節削り室

自社製?

工場のいたるところではマシンに「自社製」のステッカーが貼られているのを見かけた。大量のふりかけを作るためだけに必要な機械たち。余りのピンポイントな用途に、機械は可能であれば自分のところで作っちゃっうんだそうだ。

 

(3)味を付ける

「カクハンキ、ジュウテンチュウデス」ピシュー(調味料がはいる)
「ハンテンシマスノデゴチュウイクダサイ」ドサーっ(かつお節がおちてくる)

鰹節やワカメの調味は全て自動化されていた。1メートル幅ぐらいのドラムの中でゴウンゴウン機械の手がかつお節と調味料を混ぜ合わせる。

調味料でちょっと湿った状態はお総菜みたいで美味しそう。ふりかけは製造の各過程で居酒屋の付きだしとして合格だ。


鰹節、味付け中、美味しそう

タラコ、味付け後、こっちも美味しそう

(4)乾かす

お総菜としては美味しいかもしれないが、ふりかけであるからには乾いていなくてはいけない。湿ってるふりかけは、嫌だ。一次乾燥、二次乾燥とやって、原料時点で水分30〜40%あったのを3%までカラカラにする。


右が乾燥機。行程の要なだけにでかい


広島菜、第一乾燥後。まだポロポロ。
でも美味しそう

ウメ、第二乾燥後。振るってサラッサラに。

(5)目視選別

さて、ここまでで大量のふりかけがドシドシ作られている様をご覧いただいたが、なんとこれらは全て人の目でチェックされている。調味料のかたまりや焦げて色の悪い物を取り除くのだ。


歯医者さんみたいなバキュームとピンセットで
選別していく

一人が下のデカイタンク一つを担当。
終われば次のタンクが待っている。


コンピュータで画像処理もしているが、当面は目視による検査が続けられるそうだ。選別担当の方は、ノリ、ワカメ、ゴマと何でも選別できるらしい

何気なくご飯にかけるふりかけ、その一粒一粒が人の目でチェックされている。お手数おかけします。

 

(6)各材料を混ぜる

ここまできて、ようやくそれぞれの材料が混ぜ合わさる。一度に250kgのふりかけを混ぜることができるそうだ。

250kgいちどきにまぜる!


お弁当用の小袋がだいたい2g〜3g。毎日一食、食べたとして約230年もちます。3代にわたってふりかけに困ることはない。すごい。

ザバーっと3世代分、完成!


 

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