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特集


ちしきの金曜日
 
巡礼・ほっ立て小屋

■さらに過激さを増すほっ立て小屋

適度に傷んでいるのがほっ立て小屋の味わいではあるが、その朽ち果てぶりに歯止めがかからなくなる場合がある。誰も過激さを求めているわけでもないのに、勝手にどんどん激しくなっていくほっ立て小屋たち。もう誰も彼らを止められない。


●涙を誘うほっ立て小屋

ほっ立て度 :低
 小屋度    :低

コンテナの放置ということで、そもそもほっ立て小屋と呼ぶべきではないものだろう。それでもそうしたカテゴライズを超えて訴えてくるものを感じざるを得ない迫力。もうやめてくれ、あまりにもむごい、という気持ちになったのはこれだけだ。
じっと見ているといたたまれずに泣きそうな気持ちになってくる。格闘技だったらドクターストップがかかっているべき例である。

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行くところまで行ったという感じ


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あふれ出すかなしみに

●ほねほねほっ立て小屋

ほっ立て度 :激
 小屋度    :低

漁港のほとりのほっ立て小屋。潮風のいたずらのせいと安易に言っていいのかというぼろぼろ具合。どこから見ても救いのなさは揺るがない。スケルトンになりすぎで小屋度は低めだ。
隣には、もはや骨だけになってしまい小屋とは呼べなくなっている例もあった。いつかこうなってしまうのかとかなしみに暮れつつも、たやすく手を差し伸べたりしないのが鑑賞のルールだ。

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角度を変えてみても揺るがないほっ立て感
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いつかここまで行くのか


●2004年度ベストほっ立て小屋

ほっ立て度 :優
 小屋度    :優

記事冒頭でも載せた小屋。油断ないほっ立て度、そして小屋感。無造作に押し込められた物たちがどうでもよくなってる感じも申し分ない。
何かをあきらめるかのように崖にへばりつく様子も含め、シチュエーション全体がほっ立て小屋である。こんなにみすぼらしい王様もいないだろうが、現時点でのキング・オブ・ほっ立て小屋ということにさせていただきたい。

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言葉を失うほどのほっ立て小屋
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崖上に迫る緑の木々
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自立できてない


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画像左上、あれはもしかして…
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やっぱりそうだ!


ほっ立て小屋めぐり──勝手に何かを投影する旅

ここまでお送りしてきたほっ立て小屋めぐりの旅。改めて思うのは、「ああ、ほっ立ってたなあ」ということだ。わざわざ改めて言うほどのことではないが、それしか思い浮かばなかった。

左上の写真、肉眼で見るとこんな感じの風景だが、遠くにそれらしい小屋を発見。望遠で撮影してみると、写っていたのはやはりまぎれもないほっ立て小屋だった。

うれしいのかがっかりなのか、自分でもよくわからない感情がこみ上げてくる。

いつの間にか小屋を見つける能力が高まっている自分。見て回るうちに勝手な感情移入もしてしまった気がする。ほっ立て小屋の側もどうでもいい気持ちを押し付けられて迷惑していたことだろう。

くれぐれも言っておくが、ほっ立て小屋を探したって決して自分なんか見えてこない。何も考えず、素直な気持ちでほっ立て小屋と向き合っていくべきだと改めて思う。


 

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