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特集


はっけんの水曜日
 
雑木林コーミング


海の、砂浜で流れ着いたものを見つけるのは「ビーチコーミング」という。
一見ゴミにしか見えないものでも、眺めるとハングル文字の入っていたりして、遠くからやって来たんだなあ、とロマンにひたれる。
では陸でコーミングをやってみたらどうだろう。
私はこの正月、実家の近所の雑木林までチャリを走らせて、落ちているものを撮影した。
ひとっこひとりいない雑木林は……正直、こわかった。
さて成果は?

(text by 大塚幸代


静かな町なみ
「カルシウムの多い牛乳」&タバコ。
植木鉢や瓦、ブロック。

大塚:というわけで、雑木林に行ってみたんですけど……今回はコーミングに造詣の深い、ニフティの林さんと一緒に、写真を見ていこうと思います。
林:どうも、落ちてるものに詳しい林です。
大塚:ええと、まず説明しますと、今回コーミングした雑木林は、東京から電車で1時間の、北関東のある市ですね。というか、私の実家のほうなんですけど……。これは駅前から、チャリで15分くらい離れたところですね
林:……なんというかチェルノブイリみたいですね。暗くて、暗い雲が低く垂れ込めているようすが。
大塚:ロシアっぽいすか。これ、うしろに遠く見えるのが、東洋でいちばんでかいという変電所です。
林:ああ、この鉄骨が見えているところ。
大塚:この広い道路は、最近出来まして。この付近にでかいスーパーとか、巨大風呂屋とかドラッグストアとか、ファミレスも突然出来まして。車でみんな来てます。どこもすごく繁盛してます。
林:闇を潰して、フラットな明るさの施設ができた、と。
大塚:ま、たき火やっても怒られないような土地です。っていうか、交番がないんです、歩ける範囲、いやチャリ移動できる範囲には。
林:交番がないのか…。
大塚:そんなわけで、お正月にひとりで、家族には「散歩にいく」といって、チャリに乗って雑木林に行ってみました。
林:なんか写真を見ると、……犯罪のにおいがなんとなくしますね。
大塚:そうそう、犯罪の温床になるかもしれないということで、ある程度伐採してあって、見通しが良くなってました。でも誰も歩いてない。交通量だけはあって、車はずっと通ってるんですけど。
林:写真で見てもじゅうぶん怖い。デイリーポータルにはなかった怖さです
大塚:自然のこわさと人間のこわさがブレンドされてますからね、雑木林って。
林:北海道の原生林より怖いかも。クマよりタチがわるい。

大塚:では、ひとつひとつ写真をみていきましょう。
林:はい。
大塚:セブンスターと「カルシウムの多い牛乳」が落ちてました。ほかにも飲み物のカラは多かったので、単純にポイ捨てですかね、車から。
林:カルシウムの多い、ってところが、うっとうしいですね。飲んだ人の趣味が出てて。
大塚:コーラとか発泡酒のほうが安心しますね。

大塚:植木鉢も捨てるの大変ですね。
林:確かに燃えるごみか燃えないゴミかわかりにくいですね。
大塚:ブロックも……ウチ、実家がブロック関係の仕事でブロックが身近なのでよく分からないんですけど、ブロックに親しみあります? 家に1ことか、あったりします?
林:ないですよ。これ、「捨てるのに困った」という理由の、わりとかわいい物件じゃないですか?
大塚:理由がわかると安心しますね。

 

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