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特集


フェティッシュの日曜日
 

海ごはん海ごはん

いただきます

初日の出だけをありがたがるのはもったいない。

その日がカレンダーの最初の日だからといって特別に光っているわけでもないし、12月21日だって5月2日だってその日の出は1回限りだ。いつになく前向きですね、僕。

そんな一期一会の日の出を浴びながら、なにかをしたい。冬の冷たく澄んだ空気のなか、味噌汁なんておいしいだろう。そうだ、朝ごはんを食べよう。前向きすぎて発想は飛躍する。

選んだ場所は太平洋から昇る太陽を拝むことの出来るスポット、千葉県鴨川だ。(text by 林 雄司


空のグラデーションにポエジー気分

青のシートで一気に路上生活者風に

早くお湯よ沸け

夜明けは近い

未知の時間帯、それが早朝

12月18日、朝6時。砂浜で朝ごはんを食べるんだと思うと興奮して目覚ましが鳴る前に起きてしまった。

ふだん夜型の生活をしているので、日の出を見ることはないし(起きてたら夜が明けてしまって、やば!と思うことはよくある)、朝ごはんもめったに食べない。今日はそんなふたつの特別なことをする朝なのだ。

子供のころ24時間テレビを深夜まで見ていたときのどきどき感に似ている。言うならば未知の時間帯への期待だろうか。胸がふくらむ。

 

ポエムと路上生活

鴨川の砂浜に出る。東の空が赤く染まり、赤から青へのグラデーションが広がる。朝は僕を詩人にする。用意したビニールシートを敷く。

?………。

ちょっと路上生活者っぽいビニールだが気にしないことにしよう。なにしろ朝ごはんだ。

ビニールが飛ばないように石で押さえ、近くの公園で鍋に水を汲んでコンロにのせる。

どんどん公園に住んでいるような気分になってくる。おかしいな。

今日のメニューは以下の5品。

・ごはん
・味噌汁
・納豆
・玉子
・海苔

旅館の朝ごはんのようだ。旅館で食べる朝ごはんってなんでおいしいんだろうと思っていたが、そうだ、こういう典型的な朝ごはんって旅行に行ったときぐらいしか食べないからだ。第一食が赤いきつねとか食べてるし。ふだん。

まずはお湯を沸かさないと始まらない。

 

 

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