渋谷へ
「渋谷はちょっと苦手〜」と昔、広末涼子も歌っていたが、私も渋谷は苦手だ。オシャレな若者以外は来るな、という無言のプレッシャーを感じる。
そんな渋谷にギャル服を買いに行った。前日には『Sカワイイ』を読んで、イメージトレーニングした。
「Bガール(ヒップホップ系の女性ファッション)っぽいオネギャル(コギャルよりやや洗練されたお姉さんファッション)になるには、こんな、こんな感じだろうか……ウウム」
頭の中はコーディネート例でいっぱいだ。
本当はマルキュー(109)などで買い物がしたかったのだが、予算の都合と、「いきなりあんなとこで買い物する度胸がない」という理由で、宮益坂にある有名激安ギャル服店「ジャムピクシー」まで行ってみた。
『王様のブランチ』で紹介されているような店だ。
おもしろがって友人2人、タカセさんとR子さんも参加してくれた。ふたりとも「女子らしい格好丸出し」をしてこなかった、30代女性だ。
3人で店内に入る。パンツが490円くらいから売っている、ほんとに安い。ジャンパーも2000円、ミニスカは980円だ。
「うわーやっすいねええええ」
「よっしゃーー、買うぞう」
女子中高生の客に混ざって、一生懸命服を吟味。
……気が付くと、タカセさんが、目を点にして、服をつかみながら「あうあう」とうめいていた。
「どうしたんですか?」
「ああああー、頭が真っ白になって……いまパニックに。私ダメです。ギャルになれません……」
私と同じようにボーイッシュな彼女には、ギャル服は強烈すぎたんだろうか。タカセさん、早くもリタイアだ。
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