僕の横をテニスラケットを持ったおばさん2人組が通り過ぎる。
見ちゃダメ!2人とも暗黙の了解で僕の方を見ようとしない。完全に僕を追い越すまで無言な2人。
「いや、これはですね、ボディバランスがですね…」
追っかけて弁解したい気分だが、こんなグラついた足元では追い掛ける事すら出来ない。
まあいいさ。あの2人は素晴らしいボディバランスを手に入れる事が出来ないのだから。
気を取り直して何往復か金網づたいに歩く。
だんだん慣れてくるのがわかるが、ここで気を抜いたらいけない。
交通事故は自宅に近い場所で多く起る。慣れた場所で気を抜くと事故を招くのだ。
とにかく怪我だけはしない様に。慎重に次のステップに進む。
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