その３・白金

シロカネーゼの住む町、白金。外国語の表札が多数あり、大変由緒ありそうである。

そんな町で、お金が落ちてないか探してうろついててもいいのだろうか。せめて通報されないようにしよう。Tシャツにジーンズはやめて、ガニマタにならないようにし、背筋を伸ばして歩く。でも目線は路上一点張り。

ライバルが次々に現われては通り過ぎていく。立ちションなどしながら。お散歩中の犬だ。奴らは目線が低いし、何しろ鼻が利く。負けてなるものか。

しかし何て瀟洒な住宅ばかり立ち並んでいるのだろう。ついつい門構えに見とれる。うわー、子供用の自転車。こういうところに生れ落ちる人もいるんだな・・・。

いや、まじめに探さねば。今回見つけられたお金のみが取材の報酬だ、と思うことにしよう。それが私の生まれた星だ。