グロッキー
11時に宇都宮に到着してから5時間、4時になってやっと、全店を食べることが出来た。
「……死にそうです」
「僕もです」
「林さん、どれがいちばん美味しかったですか?」
「後半、もう味がよく分からなくなってしまいました」
「私は、小龍包風の、餃天堂のが良かったです…………でも、変な餃子は無かったですね。皆、王道というか、オーソドックスな味で美味しい、っていうやつばっかりでしたね」
「そうですねえ」
「それぞれの店に行けば、『おむすび餃子』とか『まいたけ餃子』とか『ゆず餃子』とか『餃子ウインナー』とか『イカタコ餃子』とか『ヨーグルト餃子』とか『フカヒレ餃子』とか……いろいろあるらしいんですけどねえ」
「……それは……また来て取材しないといけませんねえ」
「でも今はしばらく餃子を食べたくないですねえ」
フラフラになりながらも、目標を達成した私たちは、せっかくなので駅前の「餃子の皮をまとったビーナス」を見てから帰ることにした。
通りすがる人がみな、携帯カメラで撮影をしていく。「餃子のビーナスだってー」「おもしろーい」大ウケだ。
「ウケてますよ、餃子のビーナス!」
「ひっきりなしに写真とられてますねー」
「まあ、餃子ですからねえ」
「餃子でビーナス、ですからねえ」
「……」
「……」
ビーナス、待ってろよ。今度は変わり餃子を制覇しに来るぞ!
……と決意して、帰る私だった。
宇都宮餃子会(餃子マップあり)
宇都宮観光コンベンション協会
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