会場と会場の間を移動しながら、商店街を見て歩く。
東京からわずか2時間の所なのに、空気が違う。北関東はキアイに入っている。気志團みたいな学生服も売っている。
「林さん……ギョウザで胃がいっぱいだから、私自身がいま歩くギョウザなのかもしれません」
「僕もです」
ギョウザくさいまま、「109」に入ってみた。宇都宮にはマルキューがあるのだ。
「気のせいか、女子高生のスカートが、都内より短くないですか?」
「いや、わかんないですけど。撮影しときます?」
「や、やめてください、犯罪になりますよ、それ……」
女子高校生のスカートが短かいのも、やはりキアイなんだろうか。都内より気温が低いというのに……。
「なんというか……ギョウザ食べてる途中から、ファミコンを攻略しているような気持ちになりませんでした?」
「知らない街を歩き、餃子と戦う……じゃあ、『ドルアーガの塔』ですかね」
「それ、やったことないけど、そうなのかもしれません……」
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