もっと高い場所へ
なんと、埼玉県の実家が屋根を修理していて、足場が組んであるというのだ!!屋根に登れる!!翌日、急いで帰省した。
到着早々にまずはベランダで受信。やっぱり音は小さい。前日に受信したニッポン放送がハッキリ聞こえたのにくらべると聞こえづらい。
ついで屋根へ。てっぺんで傘を大きくかざして電波を探した。すると、聞こえた!さっきよりもだいぶ聞き取りやすい。
「 …………。かぐわし …………。ごろつきは …………。ごろふぇっさあ …………。」
ん?「香しいゴロツキ」?
携帯で家にいる妹に連絡し、受信した内容を伝えて普通のラジオでチェックしてもらう。
「なんだろう。あ、NHK第2じゃない?!ロシア語講座!!」
ビニール傘でまさかロシア語が学べるとは……。感慨もしきりである。結局は小さい音だったのだが、聴いているうちに耳が慣れてきてだんだん聞き取りやすくなっていった。
勢いをつけて、近所の公園で木に登ってみた。家の屋根よりも高いところまで登らなければ意味がない。久しぶりの木登り、はりきる、はりきる。
「おーい!大丈夫かー!かなり高いみたいだよー!」
写真撮影のために同行してくれた妹から声がかかる。ふと下を見てふるえた。た、高い!登っている時には気が付かなかったが、地面がかなり遠い。片手にはビニール傘で両手の自由もきかないというのに……。
あまりの恐ろしさに受信もおろそかにして降りてきてしまった。やはり スパイへの道のりはなかなかに厳しい。 |