手当たりしだいに
もう日も暮れようかという外に飛び出し、手当たりしだいに音を聴いてみた。聴診器があると隠れているものが見えてくる。
電信柱に聴診器をあててみれば頭上で静かにうなっているトランスの息づかい。
電柱の音
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マンホールの下では大洪水のような音がする。何気なく歩いている数メートル下にはそんな世界が。突然落ちたらおぼれるぞ。
下水の音
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線路にあててみれば遠ざかる電車の音が聞こえる。いつも乗ってる電車だって知らない町に行く電車みたいに思えてくる。
心臓の音
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聴診器から聞こえてくる別の世界にひとりときめきつつ、まだ続きます。
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