「七輪でサンマが焼きたいんです。河原かどっかで」
「いいっすね」
「で、それをリアルタイム更新したいんです」
「あーいいっすね」
「それって『いつ、どこでやってます』って告知したら、人来ますかね?」
「来るんじゃないすか?」
「じゃ、告知していいっすか?」
「いいっっすよ」
……こんな軽い気持ちで始めた企画だった。告知は前々日、開催は平日昼間ということで「来てくれるとしても5、6人よね」と考えていた。
まず場所を探す。都内で火をたいても良い場所は少ない。でも遠いと人が来ないよなーと思って調べてみると、荒川土手にバーベキュー用かまどがあった。
管理事務所に電話すると、予約不要・早いもの順との回答。ふつう公園では予約が必要なので、こりゃ気がラクだわーと即決してしまった。
前日夕刻、下見に行った。広々とした土手は風が吹いていて、夕暮れの空は真っ赤。気持のいい場所だった。「いいじゃん、ぜんぜん問題ないじゃん!」そう思っていたのだが……。 |