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エキサイティング火曜日
田んぼと橋と私と酒

伊藤酒造は手造り・寒造りがモットーの酒蔵だ。この内野には伊藤酒造のほかに3つの酒造場がある。

麹を製成するすのこ。仕込みの時期以外は静かにたたずんでいる。ちなみに部屋はちょっと消毒薬臭い。

冬場はここが休憩所となり、かなりにぎやかになるそう。手前の土間には大きなストーブが置いてある。

とりあえず飲む。飲みまくる。撮影は岡村さん。どうでもいいが、岡村さんと私の携帯はおそろいであった。

飲ませていただいた5種類。どれもうまくてかなり幸せな気分に。風雪乃華と越乃吟造りが個人的にはお気に入り。

伊藤酒造

夢がかなったものの、あまりのあっけなさに少しへこみながら、伊藤酒造に向かう。
そう! 金巻橋が普通の橋だってここには日本酒があるじゃないか!
まぁ、金巻橋が普通の橋なのは当然なのだが。

伊藤酒造は明治36年創業で、今年で創立100年を迎える酒蔵だ。

この酒造場の売りは寒仕込み。
冬の寒い時期にしかお酒は造らないそうだ―――ということはついてから知った。
つまり、見学したところでお酒を造っているところは見られない……。
一応酒蔵の中を見学するが、基本的に消毒薬の匂いばかりであの日本酒のかぐわしい匂いはいっさいかげなかった。
またもへこむ。

だがまだ利き酒がある!

飲ませていただいたのは5種類。
佐渡島の沖でとれた海洋深層水で仕込んだお酒や、新潟県産の山田錦を使った日本酒などを飲ませていただく。

蔵の案内をしてくれた岡村さんがだばだばとおちょこにお酒を注いでいく。

「あ、注ぎすぎちゃいましたー」

たてつづけにおちょこに5つの日本酒。
行きの電車の中で若干寝たとはいうものの、徹夜明けの体にはかなりきく。
そのうえ頂いている日本酒がかなりおいしく、するすると入っていってしまうのだ。
うまい。
やばい。

いい気分になって、その中で1番おいしく感じた「純米大吟醸・越乃吟造り」を購入する。
基本的には受注生産オンリーの特別限定品だ。
マジでうまい。

「今度はぜひ冬の時期に来てくださいね!」

岡村さんがそう言う。
絶対に冬に来て、このうまい酒を造っているところを見てみたい。

とりあえず夢を1つ叶えて、夢を1つ追加してみた。
冬にまた来ちゃうよ?




そんなわけで私の「金巻」を訪ねる旅は終わった。
夢を叶えてはみたものの、それについてはこれといった感慨はなく、とにかく日本酒がうまかった。
あと各駅停車に合計16時間近く乗るのはかなりつらいのでやめた方がいいと思った。
帰りに立ち寄った新潟駅ではやっぱり若者が歌をうたっていた。
リンク 伊藤酒造株式会社 https://www.itosyuzo.co.jp/



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