まとめ
同行したYさん、ヘビに免疫ができたようで、小さいきれいなヘビを見たときなど「かわいい!飼いたい!」と言うまでになった。「やっぱり、その道に詳しい人からちゃんと話をきくと、面白いですよねぇ!」とも。彼岸と此岸の境目を越えてしまったようだ。
確かに、全体的に奇妙な雰囲気がただよう場所であることは否めない。ミニブタの存在もそうだし、予算の関係か、使わなくなって放置された施設、売店もある。「ヘビセンター」とも「スネークセンター」とも名乗っているようだし、そもそも「ヘビセンター」というからして、ある種の「味」は存在する。
しかしやはり、みんなヘビを愛しているのだ。堺氏などは一見突き放すようでいて、かえってヘビへの愛情を感じさせたし、来訪者もあまりポピュラーでない分野の嗜好を同じくするものであるゆえ、園内に憂愁の善意とでもいうべきものがただよっているかのようだ。
争って街の流行のスポットへ急いでいるとき、ふと横の路地の奥を覗くと、店先に縁台を出してホッピーか何かで宴会をしていて、ああ、けっこうそっちは楽しそうだなー。そんな空気を、ここには感じたのだった。
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