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特集


はっけんの水曜日
カレー健康法

「南インドのカレーは油も控えめで身体に良い。南インドに旅行して、南インドのカレーばっかり食べていたら、体調が良くなり、立派な便通が1日6回。宿便もとれた」
最近読んだ本に、こんなことが書いてあった。
おいしいカレー。体調ばっちり。そして……快便?
「こ、これはカレーをたくさん食えという神様のお告げかも」
私は勝手にそう思って、「カレー(おもに南インドカレー)を10食たべ続ける人体実験」を計画した。
さて、身体に変化は………あるのかしら?

(text by 大塚幸代


まずは書店で2冊、図書館で5冊、インド料理の本を入手した。

レシピを読みながら、くじけそうになった。どこから手をつけていいのか、さっぱり分からない。実は市販のルーでしか、カレーを作ったことがない。
個別に香辛料を買ってきて混ぜ合わせるなんて………出来るんだろうか。

「南インドったって要するにカレーなんでしょ? カレーなんか、どれも味、同じなんじゃん?」と思いがちだが、大間違い。地域によってずいぶん違う。暮らす人々の宗教によって使える肉も違う。海のそばなら魚が入るし、南に行けばココナッツミルクが入る。

ベジタリアンの多い南インドのカレーは、もちろん野菜が多かった。
調べると、「便秘にきく」というのは、豆のカレーのようだ。豆の繊維と、使用するターメリックが腸にきくという。
ターメリックは漢方薬にも使われるハーブ。料理にマイルドな下剤が入っているようなもんだろうか。それは効くに違いない。

私は上野に買い出しに向かった。

 

上野はなぜかインド人が多く、インド食材屋もある。「上野はインドに雰囲気が似てるから」という噂だが、本当だろうか?



アメ横センタービルの地下には、インドの他にもアジア圏のめずらしい食材が揃っている。私はムング・ダルという豆と、ターメリック、クミンシードを買った。高級輸入食材屋さんより、ずっと安かった。



夜に友人が遊びに来る予定だったので、「豆カレーだけだと怒るかも」と思ってチキンカレーも作ることにした。
何種類かの本を読んで、簡単にアレンジして、作ったレシピが以下の通りです。いずれも2人分。


● チキンカレー
鶏肉 300グラム(骨付きがいいかも)
たまねぎ 1個
しょうが、にんにく 1かけ
トマト水煮缶 1/4くらい
ココナツミルク 1/2カップ
マスタードシード 少々
シナモン 少々
黒こしょう 少々
月桂樹 1枚
ターメリック 小さじ1
チリパウダー 小さじ1
塩 小さじ1/2
鍋に油をひき、マスタードシード、シナモン、黒こしょう、月桂樹を入れる。次にみじん切りにした玉ねぎを投入、炒めたらすりおろしたしょうがとにんにく、トマト水煮を足す。煮えたらターメリックとチリパウダーと塩を入れ、水を50CCくらい入れる。油が浮いてきたら、鶏肉を入れていためる。ココナッツミルクを入れて少し煮込む。

● 豆カレー
豆(ムングダル)1/2カップ
トマト水煮 1個
ターメリック 少々
チリパウダー 少々
クミンシード 少々
塩 適量
鷹のツメ 1つ2
水2カップで豆を煮る。煮るときにターメリック、チリパウダー、トマトも一緒に入れる。やわらかくなったら、別の鍋で油で炒めたクミンシード、鷹のツメを混ぜる。塩で味をととのえる。

 

友人・A子に完成品を試食してもらった。
「……どうすかねえ」
「あー、んー、けっこう美味しいよ」
「ほんと?」
「いつも食べるカレーよりも、さっぱりしてるよね。鶏肉の味が、すごく全面に出てるような」
「そうねえ。豆のほうはどう?」
「豆、美味しいかも。女の人はみんな好きな味じゃない? サラダっぽいし」
おおむね好評であった。

「味付け」として香辛料を使っているので、普段、どろっとした濃厚なカレーを食べている人間には、少々物足りない味かもしれなかった。



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