於岩稲荷
真実のお岩さん
四谷の駅に降り立つと小雨がパラついていた。
於岩稲荷は四谷の駅の裏側の住宅街の中にある。
その向かいには陽運寺というお寺もあり、こちらもお岩さんにゆかりがあるらしい。
とりあえず両方を参拝することにする。
於岩稲荷は四谷怪談に登場するお岩さんをまつった稲荷で、四谷怪談ネタの映画や劇をやる場合、ここにお参りしないと絶対に祟られるそうだ。
稲荷の周りの石柵には日本の芸能関係の錚々たる名前が並び、門には歌舞伎などの四谷怪談のポスターが貼られている。
ここでもまずはお参りをする。
ちなみに不倫や女の人にひどいことをしている男の人がお参りすると祟られるらしい。
また賽銭箱の横には言葉が書かれた紙が置かれており、お持ちください、とあったのでいくつかの言葉の中から「今の一念を本気で精一杯に」という言葉をもらう。
またここでは於岩稲荷の由来が書かれた紙が配布されていた。
それによるとお岩さんは江戸時代初期の実在の人物で、そのお岩さんの美徳を祀ったのがこの神社らしい。
つまりこのお岩さんと四谷怪談に出てくるお岩さんとはまったくの別人なのだ!
お岩さんの死後200年ほどたってから鶴屋南北がお岩さんの名前だけを拝借して作ったのがあの四谷怪談だという。
ではお岩さんの祟りとはいったいなんなのか?
歌舞伎のネタにされたお岩さんが怒っているのだろうか?
謎は深まるばかりだ。
続いて向かいの陽運寺へと向かう。
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