キノコ忘れる
夜を待って光るキノコの撮影に出発。
八丈島でダイビングショップを開いている岡田さんがヤコウダケが群生している場所を知っていると聞き、まずは岡田さんのショップ「フリーダム」に向かう。
ショップでは仲間が集まって食事の真っ最中。少し待つことに。岡田さんが作ってくれたカクテルを飲み(カクテルバーも併設しているのだ)、奥さんが開いているキャンドル工房のキャンドルを見る。
岡田さんがエイに刺されたことや中野のバーで働いていたことなどを聞く。市野さんのもとの職業のはなしなどで盛り上がる。いやあ、カクテルもおいしい。
?
すっかりくつろいでいるが、ここは八丈島だ。なんで来たんだっけ、ああ、光るキノコの撮影だった。忘れかけている。すると、ちょうど岡田さんのお子さんの誕生会が始まり、いつのまにか僕も拍手をしたりケーキを食べたりしている。
今回の取材に同行していた住さんが僕の耳元でささやく。
「林さん、もう僕らは光るキノコを見てるんじゃないでしょうか………」
なるほど、そんな気もする。え、いや、またそういうパターンのオチにはしたくない。去年から行きたかった八丈島取材なのだから。今回、僕は新世界紀行のつもりで来たのに。
すこし心配しはじめたころ、光るキノコのところに連れて行ってくれるという。やった。出発だ。
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