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特集


フェティッシュの月曜日
ロッテ浦和球場に行こう


新幹線が通るたびに狙われる

グラウンドも近いがブルペンも近い。別の生きものみたいに球が速い。

コーチのように見守るが全然関係ないおじさん。

里崎選手。カジュアルに観客と会話。

「こまちにあてろー」

この日は13時プレイボールでロッテマリーンズ対西武ライオンズのイースタンリーグ公式戦。

かいせつ:イースタンリーグ

2軍のリーグ。セリーグとパリーグではなく、東西でイースタンリーグとウエスタンリーグに分かれている。

応援団はロッテ側にひとりだけいた。ロッテ浦和球場らしい応援歌をうたっていた。

♪ ホームラン ホームラン こまちにあてろー

ロッテ浦和球場の脇を東北新幹線が通っているのだ。こまちは新幹線の名前である。

また新幹線が通ると彼は歌う

♪ ホームラン ホームラン なすのにあてろー

? さっきと新幹線の名前が違う。通る新幹線を見て歌詞を変えていたのだ。ロッテにも詳しいが新幹線にも詳しい。

まさか新幹線に乗っている人は線路脇であてろあてろなんて言われているとは思わないだろう。

 

友だちか?

彼以外は静かに野球を見ている。選手の声だけが響く。

「おやえーうす!」

中学時代、野球部が練習しているときに出していた声だ。プロの選手も言ってたとは。テレビやうるさい球場では分からないことである。

試合中に選手に話しかける男までいた。
「こんどいつ出るんですか?」
そんな、試合中に選手が答えるわけないじゃないか。
「いや、まだだね」
って答えていた。がーん。

ファンの心わしづかみである。いい人だ、ロッテの22番、里崎。


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