地域猫にあう
最後に、地域猫運動をやっているという、S区W公園に行ってみた。
地域猫運動とは、地域の有志の人が、野良猫にワクチン接種や避妊手術などをして、猫と共生してゆく活動だそうだ。
これは行政機関も関わっている運動で、去勢・避妊手術の費用を全額負担する区もある。
地域猫たちは、どんなネコなんだろう。そう思って、猫がよくいるという、池のまわりを探していくと………いた、草むらの影に3匹のネコ。
地元の方とおぼしき中年男性が、1人でネコフードをあげていた。
ゴハンはそのまま地面に捲かれていた。「愛護活動」をしているようなタイプの人には見えなかった。きっと、単独でゴハンをあげているんだろう。
話しかけようかと思ったが、男性はネコを一心不乱に見つめていて、邪魔するといけない雰囲気だったので、ネコの食事が終わるまで待つことにした。
ジャーキーとことん不評
15分後、行ってみると男性の姿は消え、ネコは枯葉の上に座っていた。
小太りだ。毛並みは割といい。
不人気なジャーキーを手に、話しかけてみる。
「こんにちわ、チチチチチ」
こちらを見る。だが、一向に近寄ってこない。
「あ………じゃあ、ここに少しだけ、置きますから良かったら食べてください……」
ジャーキーを枯葉の上に置く。
遠く離れて、見ていると、ネコはジャーキーの匂いをかいで、なめて、食べるのをやめた。
すぐにカラスが来て、ネコの食べなかったジャーキーをくわえて、飛んでいった。
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