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はっけんの水曜日

写真はイメージです。

渋谷にあるとあるバー。薄暗い照明、テーブルごとに小さなロウソクが置かれている。

男はトキオのナガセくん似、濃い顔のイイ男。ダークスーツ着用。髪は金髪で、スーパーサイヤ人のように毛を立てている。女は小じんまりした美人。地味目だが、どこかのブランドっぽい、素材のいい服。髪はセミロング。

二人とも20代なかば。テーブルの周りには大小の紙袋が６つほど。買い物帰りだと思われる。時間は午後８時。

女：	……ねえ。
男：	………んー？
女：	……これ、これねー、めがねつくったの。……可愛いでしょ？
男：	……うん、いいじゃん（男、女のメガネを手に持ってながめる。かけるてみる）……うわー、きっつ～。
女：	はははー。
男：	あたたた。
女：	案外、頭大きいねえ。
男：	そりゃもう……この中、いいもんがいっぱい詰まってるんだよ。
女：	どうかなあ。
男：	ほんとだよ。
女：	うふふ………。
男：	仕事どう？
女：	まあま………あ、今度、スキー場で営業なの。
男：	うそ、寒いじゃん。大変だね。
女：	営業はいつものことなんだけど……今回、スタイリストがねえ。一応スタイリストつくんだけど、その人、前にもやってもらった人なんだけど、それがひどくて。
男：	どんなの？
女：	なんていうかねえ………ひどい。持ってくる服がねえ、もう全然駄目で、ユニクロみたいな服なの………ありえない。
男：	へえ。うーん。
女：	ありえないの。
男：	………そうかあ。
女：	そう。
男：	………。
女：	このまま帰るの？
男：	俺は帰り、ラーメン食う。
女：	あ、そう。
男：	来週ってさあ、成田まで送るよ。時間あるし。
女：	ほんと？　あのねえ、スーツケースさあ、買うのやめて、実家まで借りにいかなきゃならないんだけど。
男：	ああ、大丈夫。行くよ、わかった。 ………あ、あのさあ、あれ、おもいきって買えばよかったじゃん、スキー場行くんだったら。
女：	……あたし、あんまり好きじゃないのよ。プーマとか。
男：	スポーツものが？
女：	うん。
男：	機能がちゃんとしてるじゃん。
女：	あんまああいうの好きな女っていないよー。
男：	えー、いいじゃんプーマとか……アディダスとかさあ、ロゴの文字がさあ、ヴィトンみたいじゃん。
女：	ええー？………ええー？
男：	違うっけ？
女：	………時々変なこと言うよね。
男：	……そんなことねえよ。

備考

・	女性は何かのタレントらしい。特にモデル体型でもなかったので、MCか何かかもしれない。しかしスキー出張で成田ということは海外なのだろうか？　それとも成田からの旅行と、スキー出張は別なんだろうか？
・	男は歩いてると目立つくらいの美形であった。冠婚葬祭用ではないダークスーツも異様であった。一瞬「ホストか？」と思ったが、夜のお仕事っぽい雰囲気もない。ナゾ。
・	アディダスのロゴがヴィトンに似ている、というのは良くわからない。

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