「としまえんは絶叫マシーンを減らして、温泉を始める………とか報道されたりもするんですが、そういう訳でもないんですよ。トップスピン(註:座ったまま、空中でぐるぐる回転させられる、ものすごい恐ろしいマシン)が2台あったのが1台になったくらいで。園内は土地に限りがあるんで、新旧のマシンを、パズルみたいに入れ替えていくんですよね」
そうか、都内の遊園地って大変なんだ………と感心したところで、私はずっと気になっていたことを、聞いてしまった。
「ところで、関係ない話で恐縮なんですが、アフリカ館って無くなってしまったんですよね?」
「そうです、98年に。アフリカ館はね、思い入れのある方がいっぱいいらっしゃって、無くなって寂しいってよく言われます。いま駐車場の横に『トイザらス』さんがありますが、あそこが、かつてアフリカ館だった場所なんですよ。
施設が老朽化してしまうと、維持ができないんです。アフリカ館って出来たのが1969年ですから。音声も、オープンリールのテープを20台を使ってたんですよ。象のパオーンっていう声とかも、全部そうでした」
「オ、オープンリール!?」
「そういえばアフリカ館のジープが1台、園内に残っていますよ」
「ぜひ見せてください!」
温泉から話がズレたまま、私たちは園内を案内してもらうことにした。
|