いも煮完成?
煮えるまでしばし待つ。ぐつぐつぐつ……ガサガサガサ……木立の中、鍋の煮える音と、枯れ葉をふむハトの足音が聞こえる。
鍋のフタを見つめる私たち。
鍋のフタに、はらりと黄色い葉が落ちる。
ハトはいいけど、鍋をカラスに襲われたら嫌だなあ、と思いながらフタを開けた。もわあっ。いい匂い。
紙のお椀にサーブする。
イモと汁と具から、白い湯気が立ちのぼる。醤油とお肉の匂いがする。
思いきって一口。
はむ。ずずずー。
……あ、けっこう美味しい。
「けっこう美味しいですよ!」
と、林さんも言った。
醤油と日本酒しか入れてないのに、ちゃんと汁ものになっている。
よかったよかった、と思ってビールを開けて飲んでいると、友人たちがやって来た。
なぜかソーセージ
来た友達も、いも煮未経験者ばかりだった。皆の感想も「けっこう美味しい」であった。
「けっこう」か。一応成功と考えていいんだろうか。
人数が増え、時間がたつごとに、白菜、シイタケ、しめじ、ウズラの卵入り揚げボールなど、違う材料を足していった。「いも煮」からどんどん違うものになっていく。「まあ、一回いも煮は完成したんだし……いいか」と思って、そのまま変化させてみた。
「これ入れましょう!」ついに林さんがソーセージを投入。
煮えた春菊とソーセージを食べてみたら、ポトフっぽい味わいがした。
|