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11月のテーマ:冬

11月のテーマ:冬
芋煮会をやってみよう

ぐつぐつぐつぐつぐつぐつ。

今年も「日本一の芋煮会フェスティバル」がテレビで紹介されていた。6メートルものナベにさといも3トン、牛肉1トン、醤油700リットルなどを入れて煮て配るという、山形市主催の無茶なイベントだ。
毎年テレビで報道されるたびに「なべ、でかーーーい!」という方にばかり目がいっていたのだが、よく考えたら「いも煮」が何なのか知らなかった。
「いも煮は東北ではポピュラーなもので、お花見のように、皆で勝手に開催しては楽しむもんらしいですよ」
と知人に教えられ、はじめて意味を理解した。収穫祭の一種なんですね。
で、今回は実際に、いも煮会をやってみることにしました。
ちなみに、参加者にいも煮経験者はゼロ。………果たしてちゃんと出来るのか?

(text by 大塚幸代




写真
光が丘公園、バーベキュー広場。ひろい。


写真
材料。間違ったものも、たくさん混ざってるような気が。


写真
何はなくとも牛肉。

いも煮会とは?

「いも煮のレシピを調べよう!」
そう思って、私はネットを検索していた。
でも途中でワケがわからなくなってしまった。レシピがみんな違うのだ。いも煮カルチャーは広範囲にわたっていて、バリエーションが多いようなのだ。
いろんなサイトを見て、情報を整理すると、

・「いも煮会」は、山形、福島、宮城などで行われる、河原などで煮炊きして、地酒を酌み交わすイベント。家族・友人・学校・職場・地域などで行なわれる。(岩手、秋田でも同様の収穫祭があるが、岩手は「いものこ汁」、秋田では「鍋っこ遠足」と呼ばれている)。
・時期は9月〜11月で、10月なかばがピーク。
・「いも煮」は鍋物というより具沢山汁。材料はさといも、牛肉、ねぎ、きのこなど。しかし地域によって材料も味つけも違う。

ということらしい。
とりあえず今回は「日本一の芋煮会フェスティバル」の「牛肉使用、醤油仕立て」のレシピを参考にすることにした。これがスタンダードなのかは知らないが、いちばん簡単そうだったのです。

会場準備

本当は河原でやりたかったのだけれど、「冬の河原はスゴイ寒いですよ!」と前回のたき火の先生・石原さんが言っていたのを思い出し、都内の公園を使うことにした。

東京都公園協会のサイトをみて、「バーベキューの出来る公園」リストから、交通の便もよい光が丘公園を選んで申し込む。
「何人でやるの?」と電話口で管理人に聞かれ、「ご、5人くらいです……」とこたえる。友達が少ないので「5人も集まるかなあ」と不安になる。しかし1人でやったら「いも煮会」にならない。

光が丘公園へ

数人の友達に声をかけ、ついに当日。
ニフティ林さんに同行してもらって、光が丘駅前のダイエーでカセットガスコンロ(1980円)を購入した。もちろん、肉、野菜、ビールなども買う。
「ぼく出身が練馬なんです。練馬ってだけで落ち着くなあ」
林さんはそう言いながら、ソーセージをカートに入れた。……鍋に入れるつもりなんだろうか?

光が丘公園は広くてキレイな所だった。紅葉まっさかりで、赤や黄色の葉っぱが降っていた。
バーベキュー広場は、木立の中に、机とイスがあるだけの場所だった。地面には枯れ葉が敷きつめられている。実に季節感丸出しだ。



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