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秋の潮干狩りイン東京



ミツバとゴマとあえて、まぜごはんにしてみました。新鮮な磯の香りがして、おいしかったです。




こうして「秋の潮干狩りイン東京」は、いちおう成功した。しかし……。

後日談

上・左2つがシオフキ、右の大きいのがバカガイ。下の小さいのが、見本のためにリリースしないで持って帰っちゃったアサリ。小さいです。
大量虐殺から逃れたみなさん(のちに腐敗)。

貝は意外とうまく料理できた。狩猟欲も食欲も満たされて、今回の作戦は成功だった。だけどその後に、問題があったのです。

実は食事のあとに、貝を撮影しようと、すこしだけ食べずに残しておいた。
生き残りの彼らを、海水でひたした器に入れて、ちゃぶ台の上に置いておいた。彼らは目をニュ〜と出して、ときどき、
「ピュー!」と水を吐いた。
私がテレビを見ているときも、パソコンに向かって作業しているときも、彼らは「ピュー!」「ピュー!」と自己主張した。
「ここ海じゃないよう、海にかえしてえ!」
「海にかえりたいよう! おに! あくま!」
ちゃぶ台は彼らの主張で水びたしになった。

うわあ、こいつら生き物なんだ。何時間も一緒にすごすうちに、だんだん罪悪感がつのった。どうしよう。海に返しに行こうか? でも私の住んでいる地区は、海からとても遠い。

いっそ、こいつらもゆでてしまうか?………でもそれも出来なかった。

はやく静かになっておくれ。
そう思って部屋のはしっこに彼らをおいやって、ほおっておいた。

1日半後、彼らは息をひきとった。腐って、あっというまに異臭をはなった。海水には白い膜がはっていた。
私は安心して、彼らを紙に包んで、ビニール袋に入れ、生ゴミの日に出して、合掌した。

教訓:狩ったらすぐ食べよう。生き物を食べて生きていかなければならないのは、人間の業………でもそんなの毎日悩んでたら、やっていけませんがな!

でもきっと私、しばらく貝食えません。あと翌日カゼひいて熱が出たのは、きっと貝の呪いだと思う。以上。



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