今年1年の総合ランキングで767位。何かと話題になった「東京タワー」だ。リリー・フランキー氏の小説を始め、新東京タワー建設地の決定、そして何より、あのマスコットキャラクター「ノッポン」の初の本が出版された！

ノッポンのことを最後に持ってきたのは、何を隠そう、私自身がノッポンのファンだからである。文句あるか。 数年前に新年の羽織袴姿を見て以来、一人でもタワーに出向いては、浴衣姿・サンタ姿のノッポンを一目見ようと追っかけをやっていたくらいだ。

今回は、以前Qちゃんの手を再現したように、またも「手」にクローズアップしてみたい。ノッポンの手は、あの素材で再現したら、それっぽいのではないか。何でこんなに「手」にこだわるのか自分でもわからない。

（乙幡 啓子）

ジェリーキャストという素材で、くにゃくにゃぺたぺたといった感触のものを作れる。これなら、あのノッポンのくにゃくにゃした感じを再現できるのではないか。

ちょうど着色剤も、赤（加減でピンクになる）のが残っていたので、ノッポンにぴったりだ。

ジェリーキャストと、着色剤。

これを薄く切り、ホットプレートで温めて、型に流し込む。面倒なので、型自体をアルミホイルで「キャラクターの手」っぽく作って、プレートに置いてそこで温めてしまおう。

こんな感じですよね、キャラの手って。	簡単にハサミで切れる。これが快感。

キャストがとろとろになるくらいまで温まったら、着色剤を落とす。	一気に混ぜる。屋台の水あめみたいで懐かしい。

ホットプレートから下ろして、冷めるのを待つ。	冷めたら型から外して、バリを取って形を整える。

ああっ、そこにいるのは、ノッポンさんじゃないですか！（タモリ倶楽部風に）

「やあ、ぼくノッポンだよ。握手かい、いいよ」

「おっ、パソコンか。でもタッチパッドは、ぼくの手を認識しないんだよね」

「やあ、コーヒーか、ありがたい。ほっとするよ」

「あっ！ぼくの本、買ってくれたんだね。うれしいよ」

「そうそう、名言を集めたのさ。面白いよわははは」

「これぼくだね。あれ？なんか変じゃない？あれ？」

そう、ノッポンには、指がある。決してQちゃんみたいなナマコハンドではなかったのだ。がびーん。

どこかの寺に安置されているという「河童の手」のような、不安なものをうっかり作ってしまった。ノッポンファンといいながらこの体たらく。お許しいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。