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フェティッシュの火曜日
 
街のタイル壁でマルバツをやりたい


ビルなどの壁面のタイルを見て、何か感じませんか。

テトリスが流行ったころは、タイルにちょっとでも色の違いが見られると、「あのカタマリがあそこに入ればあの列が消えるな・・・」と、もうゲーム画面にしか見えなかったものだ。

実際に壁面でゲームが動けばどうだろう・・・とりあえず簡単なところから、○×ゲームを壁面で遊ぶ試みをしてみたい。もちろん人様のビルの壁面にマジックなどで丸を描くのはだめだが、壁面で、というからには、壁面にくっつく「何か」で○と×を作らねばならない。 さて、どうするか。

乙幡 啓子

頭に浮かぶはあの番組

例えば、昔NHKで「満点パパ」という番組があって(古すぎるが)、司会の三波伸介が、トークの内容に従い芸能人パパの似顔絵に○や×のマグネットをばーんと置いたりしていたのを思い出すが、マグネットでは鉄以外の材質にはもちろん向かない。

それですぐに思いついたのは、あれだ。雑貨屋によく最近置いてある、いろんな色のジェル状のもの。ガラスや鏡にくっつけて楽しいインテリアになる、あれである。

サイトを探してみたら、あれは「熱可塑性ポリマー」というのだそうだ。じゃあ、ねつかそせいポリマーをください、というわけで東急ハンズに行ってはみたが、それは民生用には置いてないとのこと。代わりに、これなら・・・というものを薦めてくださったのがこれだ。「ジェリーキャスト」。


その名の通り、ぐにょぐにょの何かです。
薄く切って溶かす。簡単に切れるのが楽しい。

この素材を薄く切って、ホットプレートなどの温度調整の可能なもので180度くらいまで熱すると、とろとろに溶ける。これを型に流し込んで固めて完成というわけだ。

ホットプレートに直接溶かすわけにはいかないので、何か適当な容器を探す。昔お土産でもらったベトナムコーヒー用のカップのフタがちょうどアルミ製で使えそうだったので、申し訳ないがキャスト溶かし容器としてのデビューとなった。


十分流れるくらいになったらOK。
煙は多少出るので、ゴーグル越しに作業した。

 

試行錯誤5時間

今回は○を5つ、×を4つ作ればいい。粘土に○と×の形に凹みを作って、上からアルミホイルで覆ってメス型は完成。楽だ楽だ。

と、簡単に考えていたのですが。

完全に溶けたら、エポキシ樹脂の着色料を数滴落として色をつける。
冷えないうちに一気に流し込む、のだが。

どうも、ホットプレートから引き上げたとたんに冷え始めるようで、型に流し込もうとすると後半はもう流れ落ちていかない。

こんな、たらこ状になってしまいました。
皿に残ったキャストは、はがしやすくて快感なのだが。

この皿は、ホットプレートとの間にスキマができる構造なので、規定温度でやっていてもあまり温度が上がらないようだった。そして、本来はメス型も温めておいたほうがいいのだが、粘土の型なのでそれはできない。

やり方を変え、もうメス型を使うのをあきらめ、ホットプレートにアルミホイルを敷き、直接流し込むことにした。


さあ適当になってまいりました。
形にはなった。

そういえば、換気扇を頼って台所で作業していたのだが、あまりにおいは感じなかった。が、着色料を入れると、なんだか「駄菓子屋のにおい」がしてきたのだった。駄菓子のカラーバリエーションのにおい、というか、うまくいえないけど。


壁にはひっつく。とりあえず使える、ということか。

ホットプレートの上で直接熱したら、今度はゆるくなってうまく形にならない。というわけで、平らにざっと一度流し込み、あとからハサミで切り抜くことにした。

キャストの意味は・・・。


一気に山が動いた。ここまでで5時間かかってしまった。台所に立ちっぱなしで膝が痛い。

 

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