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コネタ


コネタ1081
 
ジャンボ茶碗蒸しを食べに
長崎料理 銀座「吉宗」

いつも、どこかに行きたいと思っている。そして、そこでしか食べられないものを食べたい。そこに住む人たちと一緒になって食べたい。

…しかしまぁ、そんな願いが年に何度も叶えられるワケがなく、各地の物産展やアンテナショップに足繁く通っては、お茶を濁す日々。

が、しかし。ありがたいことに東京には、居ながらにして地方の味が楽しめる店が存在する。

今回は「本店が長崎」という店に行って、名物の巨大な茶碗蒸しを食べてきました。

高瀬 克子

銀座8丁目。休日の夕刻
店のガラスケースにはドラゴンがおった

長崎では有名なようです

長崎といえば当サイトのライター、T・斎藤さんの住む街だ。斎藤さんの繰り出す街ネタにヤラれ、私の中で長崎は「目下行きたい街No.1」の座に輝いている。

そんなわけで、長崎に関連したサイトなどをボンヤリ眺めていて「おや?」と思った。

「ん? 名物・ジャンボ茶碗蒸し?」

長崎の名物に茶碗蒸しがあったとは初耳だ。確認のため斎藤さんにメールを送ってみるとそれは吉宗ですね」と、さっそくの返信。

そして「たしかに言われてみると、どんぶりで茶碗蒸しって異常ですね」と斎藤さん。

ええ、異常というか、そういう店って、ちょっとないと思います。しかも創業慶応2年ってところが、物凄くそそられます。

というわけで、その巨大茶碗蒸し食べたさに、さっそく銀座にある「吉宗」に行ってみた。


いざ、地階へ
ものすごく繁盛してました

再び斎藤さんのメールによると「長崎の吉宗は江戸時代からあるようなかっこいい建物の店で、入ると番頭さんみたいな人が拍子木を打ってくれます」とあったが、銀座店にそのようなシステムはなかった。

ただ、地階へ降りる階段脇の壁に皿うどんのレシピが貼ってあり、妙にグッと来てしまった。なんかこういうの、とってもいい。


きっとお店の人自身
皿うどんが
大好きなんだろうなぁ

 

さっそく注文

メニューにはジャンボ茶碗蒸しの他にも、「えそ」という魚を使ったうまそうなカマボコや鯨料理がズラズラと並んでいる。

ああ、何を食べるべきか。胃が1つしかないことを不満に思うのは、まさにこういうときだ。

これはどうしても外せなかった豚の角煮。説明不要、脳天直撃のうまさ。

…肉に喜んでいる場合ではない。今回のミッションは茶碗蒸しだ。

そう思っているのは私だけではないようで、取り皿や箸袋など、至る所に「元祖・茶碗蒸し」の文字が散りばめられている。


もしかして、茶碗蒸しのことを
忘れちゃいませんか?

もちろん忘れていたわけではない。蒸し時間の問題なのだろうが、茶碗蒸しは最後にやってきたのだ。主役は遅れてやってくると相場は決まっているのだ。

茶碗蒸しと「蒸しずし」のセットを頼んだので、フタの付いたドンブリが2つ、同時にテーブルにどどーんと置かれた。


一気に圧迫感のあるテーブルに
これが「蒸しずし」。すしと言ってもゴハンは酸っぱくなく、やさしい味でした

もう、この登場の仕方からして普通じゃない。茶碗蒸しが運ばれてくる時に合う擬音といえば「しずしず」あたりが妥当かと思うが、これは「どどーん」だもの。そして、付いてくるのがスプーンじゃなくてレンゲだもの。とにかくスケールがデカイ。

では、フタを取ってみましょう。


やぁ、でかいね

表面が実に美しい。さすがの蒸されっぷりである。やはり140年の歴史はダテじゃない。

さっそくいただきます。まずはひとくち、…とレンゲを突っ込んだ途端、中からスープがジュワッと出てきた。それまでパンパンに膨張していた表面がペコッと凹む。


アナゴのでかいこと!
中はスープがたっぷり!

茶碗蒸しって、飲み物だったのか

表面付近こそ「固まり」だったが、食べ進むにつれて汁の分量がどんどん多くなっていく。途中からは「食べる」というよりも「飲む」になっていった。

そして10種類も入った具は、器に比例するかのようにそれぞれが大きい。そのせいか、通常サイズのギンナンが「なんで?」と言いたくなるくらい小さく感じられる。ギンナン、損だ。

というわけで、縮尺感覚がおかしくなるようなステキな茶碗蒸しだったのでした。

長崎料理 銀座 吉宗(よっそう)

〒104-0061 東京都中央区銀座8-9-16
銀座中央通り 長崎センタービルB1
TEL: 03-3572-7686
定休日:年末年始のみ


ますます長崎に行きたくなった

 

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