なにがどうしてこうなるかは最後にわかるよ
この1週間、ずっとパソコンに向かっている。デイリーポータルZのグッズを作ることになり、そのイラストを描いていたのだ。
今回のコネタは「北海道で50円で買った石を磨く」という内容を予定していたのだが、磨いてる時間がなくなった。あと、よく考えたらそれはネタとしてかなり危ういこにも気づいた。なんだ、石を磨くって。
石の話はやめてZくんグッズに変更するまでをドキュメンタリータッチで綴ります。(林 雄司)
ぶらり氷点下の旅
前回のコネタで間違えて大森へ行く際、池田という駅で1時間ほど時間があいた。氷点下6度ぐらいだったが、何かあるかと思って町をうろついてみた。
駅前です。
池田町の名物はバナナまんじゅう
バナナまんじゅうは明治の開拓時代、その当時高級菓子だったバナナの風味をつけたまんじゅうである。バナナは入っていない。バナナガムの味がした。ふた箱買ったのでひと箱は会社で配った。
そして衝撃の看板
町には酒屋さんが目立った。池田町はワインの町なのでどこも地元産のワインを並べていた。そこで気になったのがこの酒屋さんだ。
石。左が2個100円で右が1個20円。
酒屋さんです。
「おみやげ」 「ピカピカ光るみがき方おしえます」
この迫力はなんだろう。石を売るって漫画「無能の人」でしか見たことがなかったが、本物をはじめて見た。買わなきゃ。
訴えかけてくる文字
2個100円の石をふたつ店内に持って行くと店主は石を封筒に入れてくれた。みがき方を聞くと
「紙ヤスリで、根気」
とだけ教えてくれた。ひみつの方法があると思ったのだが、根気か。振り向くと主人はテレビの国会中継に見入っていた。
郵便局の封筒再利用
石だ。
駅に戻る途中に「ドリカムギャラリー」という案内板があった。この池田町はミュージシャン・ドリームズカムトゥルーの吉田美和さんの出身地なのだ。
バナナまんじゅうと石の町。東京に戻ったらドリカムを聞こうと思った。
うれしい、たのしい、だいすき。
ただの石じゃなかった
ところでただの石だと思っていたが、十勝石というのは黒曜石のことだった。歴史の教科書のいちばん最初に登場する石である。原始時代の石やりの材料になった石だ。断面が鋭く黒光りして美しい。
この100円の石も3日ぐらい磨けばピカピカになるかもしれない。